ファンシーの扉

オリジナルの王道恋愛ファンタジーを中心とした小説です。最後にはホッと出来る物語作りを目指しています。(R設定がある時は冒頭に記します。独自の判断でご注意ください) 尚、過去の作品については『◆ALL』をご覧頂きページの下の方にあります「Next」を押すと過去の作品まで全がご覧頂けます。作品のキーワード検索も『◆ALL』ページ左上よりご利用頂けます。

【ムーン様】魔術師の掟と幼い妻と『魔導師と妻のその後の攻防25』更新のお知らせ

お知らせ&感謝

いつもご覧いただき有り難うございます。

【ムーン様】魔術師の掟と幼い妻と『魔導師と妻のその後の攻防25』
を更新しております。

夫ゼクトールの手管に絆されて、必死の妻メディスティーナ。
頑張った。今回は本当にティーナ、頑張った!

という事で、今回もR指定ありです。何気に今回は普通にR-18かかってます(≧∇≦)キャー
●『魔導師の掟と幼い妻と』を読む(掲載中の「ムーンライトノベルズ」内に移動します。こちらはR-18対応サイトです。ご注意下さい)

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パウリンに導かれて《第12章2》

パウリンに導かれて

公爵は子息ライサンドを領地からの追放と罷免を陛下に進言した上で、今後の刑的処遇についても王に一任するつもりだと告げた。
領地の者はそれで納得する者も多かったが、ランドンとニックはそう言う訳にはいかない。
現王政の状況を厳粛に受け止めていた。

「王が良識ある判断を下す事を望みたい所ですが、おそらくそれは無理でしょう。それにご子息が王に近しい有力者と繋がっているのは必須。となれば利用価値がある者をそう簡単に手放すとは思えません。もみ消されて……、おそらくそれで終わりです」

「……もみ消される?」

ランドンの言葉に、公爵は驚きに満ちた表情を隠せない。
当然だ。前王弟の書状を、蔑ろにする者が早々に居るとは到底思えない。
だが、それは前王の時代までの話だ。
我王とその背後に連なる者達に、それを求めるはおそらく無理な事だろう。

「そうだな。あの我王ならば丸め込む事など造作も無い事だろうし、そこまでせずとも内通者が秘かに裏に手をまわし処分することも考えられる。現情勢下では王の手元所か法的機関に公爵の告白文が届くとも思えない」

続くニックの言葉に、公爵は呆然とした様子だった。

今ライサンドは公爵家の地下牢にいる。
公爵は罪が確定するまで留めておくつもりのようだが、この状況下ではそれもどうなるか無事に届く事すら怪しい状況だ。
よって王の返答を待って領地から正式に追放すると言う話も、時間の経過と共にうやむやになって行く事が推察される。
前王の時代ならば常識的に処理されていたことが、現在ままならないと言う話は、往々にして良く耳にする話だ。
それにライサンドを抱え込んでいる者が国の重鎮の一人で、尚且つ私腹を肥やそうとする輩であれば、それはおそらく絶望的だ。
ライサンドはまかりなりにも王位継承権を次に持つ前王弟の嫡男。どのように利用されても可笑しくは無い人物の一人と言える。
恩を着せた所で損益になること自体考えにくい為、背後に居る人物如何によっては無罪放免。それも有り得る話だ。
それ程に今この国は、本当に今、腐りきっている状況なのだ。

「だとすればそれは叔父上が全面的に信用を寄せる者、その中に裏切り者が存在するという事です」

「!! ……」

ゼロの言葉に絶句し、公爵が大きく息を呑む。

「叔父上、貴方は今ご自身が創設された護衛集団キールに絶対的な信頼を寄せている。違いますか?」

「当然だ。キールは我がバラサインの要だ」

「という事は……、公爵が書状を託したのがキールの者という事ですね? ……だとすれば、仔馬の輸送にもキールの者が携わっている可能性がありますね?」

「まさか……、いや、しかし……」

「キールの者なのですね?」

フリードルが詰め寄ると、公爵がゆっくりと頷いた。

「……不味いな」

ゼロの言葉を聞くなり、ミゲルが慌てて厩舎へと走り出す。
続いてシドが地下牢に足を向けた。
そして、数分後――。

「やられました……」

厩舎には既に仔馬の姿は無く、ミゲルが悔しそうに呟いた。

「調べはついているのか?」

「裏で手を引いているとすれば、恐らくソイドと言う者だと思います。イシュラルの厩屋を襲ったのは、ソイドとそのとりまき連中ですから」

キールの情報は、この中で誰よりもニックが一番の頼りだ。

「その者の事は、良く知っているのか?」

「私が抜けた後に入った者ですから、面識は数度。後は厩舎に出入りしている時に、何度か姿を見ました」

「では、キールが既にライサンドの私兵集団に成り下がっているという事は、考え難いか?」

「それは無いと思います。ゴードン殿を慕っていた者達も多くおりましたから。団長が変わって抜けた者もおりますが、公のお人柄を慕って残っている者もまだ多くおりますから、内部分裂はあり得ても、その者達がライサンド側に就くとは、到底考えられません」

「そうか……。ならばキールの中で、お前が信頼できると思える者の名を、何人でもいい。教えてはくれないか?」

「はい」

ゼロは1枚の用紙をニックに手渡すと、記入を求めた。
それは現キールのメンバーリスト。
事前にフリードルが調べ用意してくれたものだった。
ニックはゆっくりとリストに目を通す。
そしてチェックが終わると、それを再びゼロに戻した。

「108名中……2人……。たった、これだけなのか?」

「申し訳ありません……。私が居た頃とはかなり様変わりしている上に、信頼できる者となれば、容易に記を付ける訳にも……」

ゆっくりと大きく頷くと、ゼロは踵を返す。

「フリードル! この両名と至急連絡を取り、ソイドの行方を追え!! 公爵には私から話は付けておく」

「はい。承知致しました!」

フリードルはその場にいたミゲルを引き連れると邸を早々に後にする。
一方ゼロは、ランドン、ニックを伴うと、薄暗い地下牢へと直ちに向かった。

「申し訳ありません……。私が居た頃とはかなり様変わりしている上に、信頼できる者となれば、容易に記を付ける訳にも……」

ゆっくりと大きく頷くと、ゼロは踵を返す。

「フリードル! この両名と至急連絡を取り、ソイドの行方を追え!! 公爵には私から話は付けておく」

「はい。承知致しました!」

フリードルはその場にいたミゲルを引き連れると邸を早々に後にする。
一方ゼロは、ランドン、ニックを伴うと、薄暗い地下牢へと直ちに向かった。

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ずっと心に決めていた《187.策 案》(アレク視点)

ずっと心に決めていた

夜通し馬車は走り続け、邸に戻って来たのは翌日の早朝。
まだ日も昇っていない時間だった。

余程疲れているのか、到着した事にも気づきもせずに、マリエッタは私の肩に寄りかかったまま眠っている。
ヨハンナに先に降りて貰い、別邸の扉を開けてもらうと、彼女が目を覚まさぬように気を付けながら、優しくその身をそっと抱き上げた。

「お嬢様、余程疲れておいでのようですね」

「当然だ。私でもこの1日で1週間分の労力を費やした気分だ」

体力には自身のある男の自分ですらそのように感じるのだ。
こんなに華奢な身のマリエッタの疲労度は、おそらく私の比では無いものだろう。
身体的な疲労度もさることながら、精神的にもかなり堪えているに違いない。

「あら、その割には、旦那様は随分と清々しいお顔をなさっておいでのように感じられますが?」

「当然だ」

これで、愛しい者と結婚することが叶う事になるのだ。嬉しくない筈がない!
マリエッタを寝台に降ろすと、その額に優しく口づけると、懐に入ってある結婚申請書の書類に手を置いた。

「少し城に顔を出して来る」

執事のハンデルに捕まれば、おそらく本日中に申請書を提出することもままならない。
訴えた所で『そんなものはリレントにでも任せておけばいいのです!』と言われておそらく終わりだ。
申請書の提出は当人でなくてはならないと言うものでは無いが、なんとしてもこれだけは、自らの手で提出したいと思っている。

「統帥長閣下の許へお出かけですか?」

「ハンデルには式典に少し遅れると言っておいてくれ。奴と殿下に少し話がある。それに申請書は一刻でも早く提出したい」

「30分が限度ですからね。それ以上はハンデルを抑え込める自信がありませんから」

「上出来だ。後は頼んだぞ」

リレントとヨハンナに後の事を任し、私は単独で城へと馬車を走らせた。

運の悪い事に、今回式典の開始時刻と、書類の申請窓口の受付開始時刻が重なっていると言う事態に陥っている。
事情を話した所で、とてもあの執事が書類を出して来いと言ってくれるとは、到底思えない。
それどころか捕まったら最後、いつ離してもらえるかもわからない。
念願の……、マリーとの今後の行く末を担う書類を手にしているにも拘らず、提出がままならない事態と言うものは御免だった。
私はとにかく、1分1秒でも早く、この婚約申請書類を王城にある法務省の戸籍課に書類を提出したかったのだ。 
それに、警務騎士団本部にも顔を出さなければならなかった。
休暇に入る少し前、悪友パウウェルが少し気になる事を言っていた。
そして、マクシミリアン殿下にも内々に婚約申請の書類を提出した旨を伝え、再度ご配慮頂けるように頼んでおくつもりだった。
だが、急な事だ。
殿下には内々に面会する事はとても難しいと思っている。
スケジュールも関係してくるし、そこは全てを把握している筈であるパウウェルを頼るつもりだが、どうしても会う事が叶わなければ、奴を介して報告してもらう他ないと思っている。

城に着き、警務騎士団本部へ顔を出す。
暫く城に泊まり込みだと言っていたから奴はいるはずだ。

「補佐官殿? このようなお時間に、珍しいですね。長期休暇中と伺っておりましたが、まさか何か火急の事態でも?」

顔見知りの青騎士に心配そうにそう告げられて、苦笑いしながら否定した。

「いや。少し野暮用だ。居るか?」

「はい、執務室においでです」

警務騎士団での私の待遇は、日頃から出入りしている事もあり顔パス状態だ。
勝手知ったる何とやら。私は悪友の執務室の前まで行くと、扉を軽く二度叩く。

「パウウェル、入るぞ」

返事も聞かずにそのまま執務室の扉を開いた。
奴は書類の山に埋もれながら、その隙間から顔を覗かせると、かすかに微笑した。

「……ダダ漏れだな。お前、隠す気が無いだろう?」

喜びに感情が乱れまくっているせいか、どうやらパウウェルには私の思考が流れ込んでいるらしい。
私は婚約申請書を懐から取り出すと、奴の前にチラつかせた。

「朝一で提出して来る」

「それにしては早いお出ましだな」

「殿下にもう一釘刺しておこうと思ってな」

「ああ。流石にまだ寝ているだろう? それに今日の予定ではおそらく面会は無理だ。折を見て私から念押ししておいてやる。この結婚が整わなければ、グラッセ候は使い物にならなくなるとな」

「ああ、頼む」

苦笑いを浮かべると、私は奴に後の事を任せる事にしたが、思わぬ吉報も入って来た。

「しかし、良かったな。何とかこちらの守備も上々でな。お前の休みが明けるまでに良い報告が出来ればと思っていたが、やっと、追っていた女が口を割ってくれたらしい」

「追っていた……、女?」

「奴は隣国ステガルドでは留学中から、かなり乱れた生活を送っていたらしいからな。中には一人ぐらい過去にさかのぼり奴の事を疎ましく思っている者もいるかも知れないと思い探ってみれば、一人だけ見事にビンゴした」

「過去の女絡みとは、また奴らしいと言う他ないな」

因果な奴だ。
なんでも相手は鉱石王ブラッド・バーンの元秘書だった女で、偶然を装いバーンと最初に引き合わせたのはその女だったそうだ。今は分からないが、過去に奴がバーンとの密会に使っていたとされる隠れ家的店を教えて貰えたらしい。その店に暫く潜入し奴とバーンの関係に詳しい者の話を聞ければと張っていれば、バーンと取引のある密売業者の者に会うことが出来たそうだ。現在監視下にあり出国できないでいるロナルドを良い事に、言葉巧みに自国で奴との取引をしているが、仲介料が高く思ったほどの利益が得られない事から自ら直接取引が出来る相手を探しているのだと言う事をアクアローズの原石を手に話を匂わせてみれば、相手側も見事に乗って来た。近々視察と称し今度こちらに招待すると言う話になっているらしい。
国交の関係で、ステガルド国内で犯罪の有無を暴いた所で罪の問うのは難しい。ならばこちらに招き入れる他ないと考えた次第なのらしいが。

「視察先はマニエール男爵家の持つ鉱山を考えている。奴がマニエール男爵家に婿入りする話はステガルドでも既に知られている事らしい。より相手を信頼させるにはマニエール男爵家の所有する鉱山は打ってつけだと思わないか? 男爵には隣国からの視察団の受け入れを受け入れる旨、国務尚書の名で打診しようと思っているが、勿論今回の話はフルデンベール伯爵には当日まで伏せておくつもりだ。視察には補佐官であるお前を同行させ対処しようと考えているが、何か異存があるか?」

色々と考えている最中だとは言っていたが、話が既にここまで煮詰まって来ているとは思っても居なかった。

「ロナルドは如何するんだ?」

「当日、様子を見計らって偶然を装い、視察団と合流させるつもりだ」

「分かった。勿論だ。私が同行させてもらう!」

私は2つ返事で、悪友の案を受け入れた。

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お知らせ(紹介) 『ロゼリア姫は逃げられない。/佐倉紫』 ネット配信中! 他

お知らせ&感謝

突然ですが、今回はネット配信&書籍の紹介です。

先日に引き続き、またまた仲良くして頂いております同じラブファンタジー系の作品を多く書かれいるプロの作家さんで、こちらのサイトでもリンクを貼らせて頂いておりますプロ友「ベリー・ウィッシュな日々」の佐倉紫さんが前回の『マイフェアレディも楽じゃない』に引き続き、先月末よりネットのみとなりますが、新たな作品が配信されるようになりましたので、こちらでもご紹介させて頂きます。

●ムーンライトノベルズで連載されたあの作品が電子書籍化!!一巻はナント格安の99円!
ロゼリア姫は逃げられない1
『ロゼリア姫は逃げられない。[1]』著:佐倉紫 イラスト:城之内寧々
eロマンスロイヤル / Web版 (小説>恋愛) 2017年04月28日より配信開始
頭脳明晰イケメン腹黒宰相補佐 × 秘密たっぷり才色兼備のお姫さま。

<あらすじ>
品行方正・公明正大・清廉潔白を絵に描いたような才色兼備の姫ロゼリアは、毎日、ある秘密の場所に向かう。そこはロゼリアが唯一ひとりきりになれる貴重な場所。ここで笑顔の下に抱え込むストレスを発散していたのだが、いつのまにやら合い鍵を手に入れた宰相補佐ライフィールは忍び込んでくるように……。
ロゼリアの罵倒を涼しい顔をして聞き流し、あげくに「秘密を守り、ロゼリアのために働く自分に褒美がほしい」とあつかましい要求までしてくる始末。
ライフィールは「王宮に敵なし」と言われる弁論・論述の達人で、言いくるめることも言い負かすこともできず、ロゼリア姫は自身の秘密と引き替えに身体を差し出すことになっていまい――。
『完璧な王女さま』を演じる快感とストレスを抱える姫さまと、稀代の天才と言われつつ影の薄い宰相補佐の、秘密で秘蜜な攻防戦。

ネット配信はこちらから 
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【Amazon Kindle版】  【BOOK☆WALKER】  【BookLive】  【コミックシーモア】  【楽天Kobo電子書籍】


ロゼリア姫は逃げられない2
『ロゼリア姫は逃げられない。[2]』著:佐倉紫 イラスト:城之内寧々
eロマンスロイヤル / Web版 (小説>恋愛) 2017年04月28日より配信開始
番外編付き

<あらすじ>
ある事件から、急遽、女王に即位し婿を迎えなくてはいけなくなったロゼリア。
結婚は王族の務めであると割り切り、婿の選出を周囲にまかせたものの、よりにもよって選ばれたのは公爵家のひとり息子、エリック・バージウルスだった。
婚約者に選ばれたことでエリックの態度は横柄になり、ロゼリアを婚約者として支えるどころか邪魔ばかり。ロゼリアは苛立ちで爆発寸前! エリックは「自分を敬え」と傲慢に言い放ち、結婚前に寝所を共にすることまで求め――大爆発したロゼリアが求めたのは、あの腹黒宰相補佐ライフィールだった。
「わたくしと結婚して、わたくしのいちばんそばで、わたくしを支えて」
「はい。僕でよければ、喜んで」
『完璧な王女さま』を演じる快感とストレスを抱える姫さまと、稀代の天才と言われつつ影の薄い宰相補佐の、秘密で秘蜜な婚姻譚。

ネット配信はこちらから 
   ↓    ↓
【Amazon Kindle版】  【BOOK☆WALKER】  【BookLive】  【コミックシーモア】  【楽天Kobo電子書籍】



●あの単行本が文庫版となって再登場!!
疑われたロイヤルウエディング
『疑われたロイヤルウェディング 』著:佐倉紫 イラスト:涼河 マコト
ノーチェ / 文庫本(小説>恋愛) 2017年05月04日発行

<あらすじ>
初恋の王子との結婚が決まった、小国の王女アンリエッタ。けれど初めての夜、別人のように変貌した王子は、愛を告げるアンリエッタを蔑み、乱暴に彼女を抱いた。冷たくも激しい愛撫に困惑し、悲しみを覚える彼女だったが、かつての優しい王子を信じ、その後も愛を捧げようと決める。すると頑なだった王子も徐々に心を開きはじめて……一途な花嫁と秘密を抱えた王子の甘く濃密なドラマチックストーリー! 文庫だけの書き下ろし番外編も収録!

ネット購入はこちらから 
   ↓    ↓
【Amazon】  【楽天市場】  【honto】  【セブンネット】

どちらも番外編付き、おまけに『ロゼリア姫は逃げられない。』の方は、かなり加筆もされているそうです。
特別な美味しい仕様となっております作品たち。
ご興味を持たれた方は、ネットや最寄りの書店などでお見掛けされましたら、是非一度手に取って頂ければと思います。


以前の書籍紹介記事 
   ↓    ↓
『王家の秘密は受難の甘さ』
『シンデレラ・マリアージュ』
『白薔薇は束縛にふるえる』
『疑われたロイヤルウェディング』
『獰猛な王は花嫁を愛でる』
『愛されすぎて困ってます!?』
『騎士侯爵の優しい策略―花嫁の初恋―!?』
『マイフェアレディも楽じゃない』


佐倉さんの小説HPはこちらから
     ↓    ↓
ベリー・ウィッシュの伝言


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  離婚しましょう? 旦那様ッ・続編『信じても良いですか?旦那様ッ』 第8話(R-15)

信じても良いですか?旦那様ッ

下腹部に蠢く生暖かい感触に、重い瞳をこじ開ける。
ぼんやりと意識の中に入って来たのは艶やかな黒髪を乱しながら、肌蹴る衣服の隙間からちらりと見える白色の胸を自らの片手で揉みしだく女の姿。
もう片方の手は私のモノに伸ばされており、熟れた真っ赤な果肉色した唇を大きく開くと、ぴちゃぴちゃと艶めかしい音までさせながら、懸命に口に含んでいた。
思いもよらぬ自らの醜態に、私の意識は急激に覚醒した。

「や……めろ……」

だが、言葉が上手く出て来ない……。

「あら、もう起きてしまったの? つまらない」

「お……まえ、は……ッ」

その女には見覚えがあった。
以前より、しきりに私に誘いをかけていた女だった。

「聞いたわよ。貴方最近随分とご無沙汰なんですってね。私が慰めて差し上げるわ。有難く受け取りなさい」

やられた……。
また、グレンかッ!

奴は何と言っていたか? あの時……。薄れゆく意識の中で……。

『お前ばかり幸せにはさせないッ』

等と言っていた気が……。
奴に何があったのか?
あれだけ好き放題遊び回っていて、どの口がその様な戯言をのたまうのかと言う気にもなるが、そのような見解をしている余裕は今の私には無いッ。
とにかく今は何とかしてここから抜け出さなくては!
そう思い必死に藻掻くが、身体が痺れてあまり言う事が効かない……。

「往生際が悪いわね。この薬は、数時間は抜けないわよ」

アルコールによる増長効果と痺れに発汗、効果が数時間と言われてピンと来た。

「トリ……エフェランか……」

「人的害は無いわ」

当然だ。
奴は午後からの職務を考慮して依存性が無く、けれど現状において一番効果的と思える薬を私に使ったのだ。
何の害も持たずに、私を丸め込むだけの為に……。
油断した。最悪だ!

どれ位眠っていたのかは分らないが、まだ身体に痺れが残っているからそんなに時間は経っていないのだろう。
空は薄っすらと白み始めていると言う感じだ。
飲まされて1時間と言う所だろうか?
痺れの効果のピークは1~2時間。人によって個人差が伴う。それからは徐々に感覚が戻りはじめるが通常3時間は一人で歩く事も困難だ。
使用から5~6時間後には汗や尿となって完全に体内から放出されると言われているが……。

「グレ……は如何した……」

「仲間を送りに行ったわ。じきに戻って来るわ。そしたら一緒に楽しみましょうね。ふふふっ」

「っ! …… 」

言うや否や、私のモノを再び口に含める女の姿。

久し振りの淫らな感触は、私の中の眠っていた欲望を呼び戻そうとしている!
だが、このような状況での行為は屈辱的以外の何ものでも無く、それにもまして妻に対し何と言って申し開きをすればいいのか、今の私には全く見当がつかないッ。
自分の甘さと弱さが導き出した自らの危機は、自らで乗り越えなければどうしようもない。
ましてや薬の効果が切れるのを待つ余裕も無い。グレンが戻って来れば恐らく逃げ場は無い。
ならばその前に如何にかして……。

意識を集中させ、私は震える膝を片手で支えながら立たせると、ズボンの裾にいつも忍ばせている短剣に手を伸ばした。
何とか感覚は少しだがある。
女は私のモノにしゃぶりつくのに夢中で、全く私の行動に気付いてもいない様子だ。
持てるのか、どれ位の力が腕に入るのかも分らなかったが、何とか剣を手にする事が出来た。
女の背に剣先を突き付ける事も可能だったが、そんな真似をして大事にはしたくなかった。
とにかく少しでも事を穏便に済ませたかった。
出来れば妻にバレないように……。

私は不自然の無いように女の腰に両手を回すような体制を取ると、剣を持っていた右手で、自らの左手首を切りつけた。

「っくッ……」

鋭い痛みの感覚ッ。
おそらく計画は成功だ。
私は傷つけた左腕を、私に跨る女の前にさらけ出すと言葉を吐き捨てた。

「そこを退けッ!……」

「ひぃぃッ!!」

滴り落ちる流血を目の前にして、女は瞳が飛び出らんばかりに目を見開くと、恐れおののいた。

「早くこの血を止めなければ、私は腹上死だ。……お前はどの様な言い逃れも出来んぞ。如何する?!」

必死に腹に力をため込んで、気迫に満ちた言葉を投げかける。
女は慌てて私から飛び退くと、その場にへたり込んだ。

「私の身なりを整え、服を着ろ! ここを出る!!」

女に身を整えさせると私は自らのシャツの袖を歯で食いちぎり、左腕に巻き付けた。
血はまだ止まらない。
加減が分らなかったから、思いの外強く傷つけてしまったのかもしれないが、そのお蔭で血が止まらず女はかなり怯えている様子だ。
女に腹上死なる言葉を叩きつけたが、実際手首を切りつけたくらいで人間そう易々と死にはしない。
何も知らない女は私に言われた通りに自らの身なりも整えると、私に手を貸した。

まだ薄暗い朝もやの中で、私は女に馬車を拾わせると、御者の手を借りながら何とかそれに乗り込んだ。まだ薄暗い朝もやの中で、私は女に馬車を拾わせると、御者の手を借りながら何とかそれに乗り込んだ。

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風波 涼音

Author:風波 涼音
オリジナルの王道恋愛ファンタジーを書いています。(ハッピーエンド推進)〇〇年振りに執筆を再開しました。少しずつ自分のペースで書いていきたいと思います。

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