パウリンの娘

パウリンの娘《第4章2》

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どれ位の時間が過ぎたのか、凄く長く感じた。
馬や山羊達の鳴き声が止み、辺りが静かになったことを確認すると

「私が様子を見て参りますからお嬢様はこちらにいらして下さい。メイテル、お嬢さまを頼みましたよ」

そう侍女に告げるとレムキンスは猟銃を手にしてそっと外へ出て行った。
ローレライにとって馬達は勿論、動物たちも心を癒してくれる家族と一緒だった。

暫くして厩舎からは明らかに先程とは違うが馬や山羊の鳴き声が聞こえてきた。
レムキンスの影を捉えてまだ少し興奮しているのだろう。
それは直ぐに落ち着き、そしてレムキンスが厩舎人のソレントが背負って帰ってきた。

「早く医師を!」

父が即座にそう叫んだ。

「大丈夫です。外傷もありませんし脈もしっかりしています。おそらく軽い脳震盪を起こしただけだと思います。ただ動物たちの方は・・・・、仔馬と仔山羊の姿が見当たりません。そして鶏」

ローレライは執事の言葉を最後まで聞かずに厩舎へ向かって走り出した!

「お嬢様!」

「ローレライ!!」

侍女や両親等も後に続く。

激しく開けられた厩舎の扉の左には落ち着かない馬達の姿と右には隅に寄せ合い震える山羊たちの姿、一番奥の鶏舎には夥しい数の鶏の羽が散乱しているだけだった。

「・・・・酷い!!・・・・」

愕然として立ちすくむローレライの瞳からは唯々涙が溢れていた。


「ギヒィーン・・・・、ブルブル・・・・」

悲し気な愛馬の鳴き声にハッとしたローレライは

「ジュリアス! アドレア!!」

駆け寄り抱き絞めるが声を掛ける言葉が見つからなかった。

その夜ローレライは周囲の心配を余所に厩舎から離れないと言う事を聞かなかった。
少しでもジュリアスとアドレアの傍にいてあげたかったし、落ち着かずに震える他の馬や山羊達も心配だった。
心優しいローレライだったが一度こうと思って言い出したら聞かないと言う面も持っていた。
父は心配して頑として許さないと言う態度だったが、母は気持ちが分かるからと一緒に居ましょうと言ってくれた。
アドレアは母の愛馬だったアディの子供で居なくなったドレアスは孫馬にあたる。
母のドレアスに対する思い入れもきっと強いものだったに違いない。
しぶしぶ認めた父は執事に警護を頼むと自分は少し辺りを回ってくると出かけて行った。

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NoTitle 

あら~!どうなってしまうんでしょう!?
気が強いところもあるのね!
主人公はそうじゃないとね♪

HANON.H様 

ふっふっふっ。さて、どうなって行くのか!?
とにかくローレライはああ見えて正義感も凄く強い娘だからね♪
やはりあれだけの運命を背負っている娘なので、ただ優しくて、気立てが良いだけじゃダメよね♪

NoTitle 

この世界医者はしっかり文明を持っているのですね。
結構興味深いですね。。。
って、そういうところに主眼を置いているわけではないか。

感情で動くのは悪いことではないですけどね。
それで動くのが人であり、それで人生の目指すべき道がきまるものですからね。

LandM様 

医療技術としては高度なものを持っている訳ではありませんが医師は存在します。
主観を置いている訳ではありませんが、存在がキーポイントになる場面は幾つが今後出てきます。

人って色々な感情で動くから面白いですよね。
色々人が増えて来ると動かすのも大変ですが^^;

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