パウリンの娘

パウリンの娘《第17章4》

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皆がパウリンに映し出された村の情報を持って動き回っていた。
ゼロの部屋はブラックナイトの支部化しており、人の出入りも最近多くなっていた。
バラサインの仮支部となっていたニックの家の荷は既に王都の新しい支部に移されており、フリードルをはじめとする主だった人材も既に移っていた。
その為、現状はゼロの部屋がバラサインで動く者の仮の支部のようになっており、ゼロはローレライを部屋に呼び傍で見守りながら毎日仕事に追われていた。
自分の事など放置して仕事に集中した方が能率が良いに決まっている。
ローレライはずっと心苦しく思っていた。

そんな日の午後だった。
懐かしい人たちが戻って来た。

「レライ! 元気だったか!」

「お兄様!!」

ローレライは満面の笑みで兄を迎え、その胸に飛び込んだ。
兄の胸に嬉しそうに蹲るローレライの姿に、ゼロはあの日の出来事を想い出し苦笑いした。
今ではやきもちは焼かないまでも羨ましくはある。
ゼロはもっとローレライに傍にいて、いつでも触れて来てほしいと思っていた。

「ランドンもお帰りなさい。皆は変わりなかった? お父様とお母様はお元気だった? メイテルは?」

次から次へと質問攻めのローレライに傍から見ていても一歩引いて構え気味な様子が伺えた。

「おい。そんなに責め立てるように聞かれたら、口に出したい言葉も出せないだろ?」

ゼロが呆れたように苦笑いした。

「そうね。ごめんなさい。嬉しすぎて、つい・・・・」

「いいよ。レライはいつもこうだから慣れてる」

「いえ。お嬢様はご結婚されるのですから、もぅ少し落ち着かれた方が良いと思います。いつまでも娘のような落ち着きのない反応ではゼロ様もお困りでしょう」

「そうだな。まぁ、表向きにさえ気をつけてくれれば私は一向に構わん」

ゼロはローレライのこの大らかさもとても好ましく思っている。

目を細めてローレライを見つめるゼロの視線にルシオンはとても満足した。

「ゼロとは上手くいっているようだな」

「ええ。勿論」

そう告げるとローレライは左手の薬指に輝く指輪を兄に見せた。

「良かったな」

ローレライは満面の笑みをゼロに向けるとゼロも優しい眼差しでそれを返した。

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