パウリンの娘

パウリンの娘《第18章2》

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広場まで来ればこっちのもので、ここから先はローレライの情報がしっかりしている。
この坂を登って行けば、おそらく絵にある家が見えて来るはずだ。
絵にある広場の石畳のから続く一本の登り坂。
途中で石畳が途切れ、暫く進むと絵に描かれた大きな木が見えてきた。
更に進むと煙突のある石造りの家が見えて来て二人は息を飲んだ。

「ほら、あそこの家だ! 小屋もある!! 俺ちょっと聞いて来る!!」

.ルシオンは少し興奮気味で声を弾ませそう告げた。

「いや、待て! 少し様子を見よう」

「間違えないって! あの家だ!!」

直ぐに飛び出して行きそうなルシオンの腕をシドがギュッと強く握った。

「痛いじゃないか!」

「まぁ、待て! あそこなのは分かっているから。だから待て!!」

.ルシオンは訳が分からなかった。
さっさと聞く事聞いて終わらせてしまえば楽なのに・・・・。

「こういうものには順序がある。イキナリ確信について否定されたら元も子うも無い。警戒心を煽るだけで何も聞き出せなくなるぞ」

「そうか」

「先ずは周りからだ。あの家に居るのは何者なのか!? 本当に予測道理サイナーの妻の実家なのか? そうで無ければどう言う繋がりがあるのか?」

少し離れた所にポツポツと数件の家が点在している。
シドは直ぐにサイナーの妻の実家と思える家には向かわずに少し先の民家へ向かった。

ルシオンにここは私に任せてくれと一言告げると家の扉を叩いた。

「すみません。私マグリードと申します。実はこの辺りにホーデンさんと言うお宅があると聞き探しているのですがご存じないでしょうか?」

「・・・・・・・・・・」

何の反応も無いが、居るのは間違いない。家の煙突から煙が上がっている。
警戒されているのだろうか?
すると納屋の方から自分と同じ年頃の男がやって来た。

「この辺りで余所者に話す者などいないぞ」

一言そう告げると家中へ入ろうとした。

「待ってください! 怪しい者ではありません」

「皆最初はそういう風に言うんだ!」

どうやらかなりの警戒心がつよいらしい。
これは大変だと思った。

「そのまま聞いて頂けるだけで結構ですので少しお耳をお貸しください」

「聞くだけだぞ!」

「有難うございます。実は先日亡くなった祖母の遺品を整理しておりましたらアニーサ・ホーデン・サイナーと言う方に宛てた手紙が出て参りました。ずっと何方に宛てたものなのか分らずにおりましたら読み返した日記にこちらの村の事がかかれてありまして、もしかして何処かでご一緒だったのではないかと思い訪ねてみたのですが・・・・」

良くもまぁこの様な嘘がぺらぺらと出て来るものかとルシオンは感心した。

“こいつ、策士になれるのではないか!?”

すると家の主はいきなり態度を改めた。

「ばあちゃん! この人たちばあちゃんと話した方がいいかもしれない」

“えっ!?”

先程まで声を荒げていた主人が行き成りやんわりとした口調でそう言った。

“まさか本人が生きていたのか!?”

シドは冷や汗が背中に伝うのを感じた。

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