パウリンの娘

パウリンの娘《第18章3》

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「私がアニーサ・ホーデン・インダムじゃが?」

現れたのは我王と同じ赤みがかった深い緑色の瞳と白髪の老女だった。

「貴方がアニーサさん!? 祖母と同じ伝染病隔離病棟にいらした方はアニーサ・ホーデン・サイナーさんと言うのですが・・・・」

「サイナー!? ああ、それは妹のアリーサじゃ」

「では妹さんはアリーサ・ホーデン・サイナーさんと言うのですか!?」

「そうじゃ」

これは驚いた!
まさか、名前が違っていたとは思いもしなかった。
聞けば、このアニーサさんとサイナーの妻であるアリーサさんは双子の姉妹らしい。
当時同じ伝染病隔離病棟に居たらしいがアニーサさんは助かりサイナーの妻アリーサは産後体調を崩していた上での感染で結局助からなかったとの事だった。

「実は祖母の日記で当時男の赤ん坊がいらしたと言う事を知り、その方かご主人にでも手紙を届けたいと思っていたのですが現在どちらにおられるか消息が掴めず、訪れた次第で・・・・」

「ああ、そう言う事なら」

先程最初に対応した孫らしき男が話し始めた。

「あの向こうの石造りの家がばあちゃんの実家で伯父さんは死んで居ないけど奥さんと俺の従兄弟の家族が暮らしてる。子供の頃に何年かあの家に居た事あるって確か言ってた。あっ、息子のサイナーさんがね。嫁さんともと知り合いの筈だよ。あっちの方が詳しいと思うから行ってみたら良い」

「そうですか! では、今から訪ねてみます。色々有難うございました」

シドは深々と頭を下げた。
色々話を伺い、新事実も分かった。
妻の情報が中々掴めなかったのもこれで頷ける。
シドは頭の中で今聞いた事を整理するとルシオンを伴い最初に目指した石造りの家へ向かった。

「何か俺、さっき感動した!! そんな手紙持っているなら最初から言ってくれれば・・・・」

「そんなの最初から持ってる筈無いだろ!?」

「嘘なのか!?」

「こう言う人探しの時はこの手が有効なんだ」

「それで手慣れた様にあんなに次から次へとペラペラと!?」

「まぁ、それも仕事の内だ」

「それが仕事って、お前凄いな・・・・」

「普通だろ?」

こいつ、ただのおせっかい妬きかと思っていたが、どうして仕事もちゃんとこなせるんだ。

今までルシオンはシドの事を何処かで面倒見のいいゼロの側近や補佐役のような存在としてしか見ていなかった。
ランドンが一時拘束された時に一度行動を共にした事はあったが、その時はお目付け役のような存在で、普段のシドとあまり変わらず、今のこの姿はとても想像できなかった。
ルシオンは目の前に置かれたシドのその姿に何処かで尊敬の念を抱き始めている自分に気づき驚きを隠せなかった。

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~ Comment ~

NoTitle 

う~む、シドは礼儀正しいですね。
話とはそれますが、結構いろいろ人を見る職業なので、
それなりに挨拶の表情とか見ていると、教育の度合いが分かるというものですよね・・・ということはわかります。

LandM様 

そうですね。シドと言うかブラックナイトの面々は一応全て常識人です。
皆騎士としての教育をきちんと受けて志を持っている者達なのでそれなりにあります。
中でもプラスシドはかなりの切れ者なので。
やはり挨拶はすべての基本ですし、ここはプライベートでも譲れない所ですね。

いつも有り難うございます。
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