「パウリンの娘」
パウリンの娘 《番外編》

2012年Xmas特別企画/願いを込めて1 ~パウリンの娘番外編~

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イシュラルでは毎年クリスマスはイブに領地の皆を招いてガーデンパーティを開き母と二人で沢山のお菓子作り振る舞っていた。
当日の夜は家族で団らんのいつもより少し豪華な晩餐を囲み、お互い手作りのXmasカードを交換し楽しく過ごしていた。
しかし、今年は家族とは遠く離れたバラサインにおり、恒例行事を囲むことは難しい。
それでも傍には兄もランドンもおり、親しくなった仲間、そして何より将来を約束した愛する人が傍にいる。
ローレライは身近な人たちに手作りのカードを用意し、クリスマスのお祝いにと調理場に自らも入りささやかだが手作りのブティングを沢山用意した。

サザーランド国ではイブを祝う習慣はあまりないが、クリスマスは盛大に行われる。
街の木々には飾りが施され、25日、26日は国民の休日で民は昼夜関係なく家族と過ごし飲めや歌えの大宴会が行われる。
休日が過ぎても年明けの6日頃までは皆のお祭り気分は抜けない。
それがこの国の習慣のようなものとなっていた。

ザンゾール邸でもそれは例外ではなく、この2日間は屋敷で働く者達の家族は屋敷で行われるパーティに参加する事を許されていた。
それは公の屋敷で働く者達への感謝現れであることを皆良く理解していた。

晩餐の時間が近づいて来て、ゼロは仕度の為に部屋へ戻ったローレライを迎えにやって来た。

「用意は出来たか!?」

「ええ」

今日のドレスは公爵の好意で作ったものだ。
最初に話しがあった時、ローレライは一旦その話を断った。
しかし先日の息子の行いに対する償いが出来るとは思わないが、せめて何かさせてくれと言う公爵の希望から、自分も口添えをし、それで気持ちが少しでも落ち着くならとローレライも納得をし特注したクリスマス用のドレスだ。
ローレライは少し大人っぽいけれどとってもクリスマスらしい素敵なドレスだと話してくれた。
どんなドレスなのか、ゼロは秘かに楽しみにしていた。

扉が開かれ目にしたローレライの姿は小さな白と赤のポインセチアの生花を髪につけ結いあげモスグリーンのふわふわ羽のようなドレスにアクセントとして左肩とドレスの一部にポインセチアの花があしらわれたものだった。
普段可愛らしい可憐な感じのローレライが、今日はいつもより数段大人っぽくゼロはその姿に目を見張った。

「いや、これは・・・・」

ローレライは恐る恐るゼロの目を下から覗き込むように見上げた。

「ドレスはとても素敵なのだけれど、何だか少し浮いて無い!? ドレスに着られてるみたいな気がするのだけど・・・・」

「いや、そんなことは無い。とても・・・・綺麗だ」

ゼロは自然とほころぶ笑顔を隠すの為に少し顔を背けながら言葉を口にした。
ローレライの美しさに目を奪われ瞬時に言葉を口に出来なかった。
いつも着る服とは少し異なり、童顔なローレライがとても大人っぽく見えた。

“これはヤバい!”

ドレスの肩は片側が露出しているもので、いつもよりほんのり濃い口紅が更に色っぽさを演出し、心に押し込めた筈の感情が外へ出たいともがいている。
あからさまに食い入るように見つめるのはいかにも不躾で、自分の感情をコントロールするのに必死だった。

ローレライはゼロの背けた横顔を食い入るようにジッと見つめていた。

「何だか無理してる!? やっぱり私にはこんな大人っぽいドレスは似合わない!?」

「そんな事は無い。いつもとイメージが違うから少し驚いただけだ」

「本当に!?」

「ああ、本当だ。私は今日お前をエスコート出来る事を誇りに思うぞ」

「良かった」

何だかそれは少し大げさすぎないかしら?
そう思いつつローレライはニッコリ微笑み、ゼロの腕を取った。

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~ Comment ~

NoTitle 

うふうふv-10
続きカモン~!(笑)
楽しみにまってますv-238

はのん様 

昨夜本編の投稿予定の話を見直しててXmasだし何かしたいと急に思い立ち特別企画として書いてみましたみました^^
あくまで本編に沿った話として出来る限りのラブ度!?(笑)で精一杯展開していきたいと思います♪
お楽しみに^^

NoTitle 

架空世界であるファンタジーの舞台にクリスマスがあるのはちょっとわたしの趣味とはうむむ(^^;)

この世界にはキリスト教があるのか、という話になってしまいますので。

でも「冬至の祭り」だとクリスマスらしさがなくなってしまうというのもわかるし、うむむむむであります。


そうしたこだわりから離れると、このショートストーリーはとても面白かったですよ~(^^)/

ラブラブで妬けますな(^^) ローレライ、イラストで見たい(^^) どんなデザインのドレスなんだろう? いいな~(^^)

ポール・ブリッツ様 

帰省していてお返事遅くなり申し訳ありません^^;

そうですね。実は私もXmas的表現はどうかとも思ったのですが、こういうイベントを持って来たくてXmasと言う表現にしてしまいましたが、この国では勿論キリスト教等はありません。
実は私の中では神官の祖と呼ばれる人物がこの世界に舞い降りたとされる日を祝う行事としての設定です。(別人物由来のXmas^^;)

別に気にされる方も居ないかな等と適当に思っていたのですが、これは今後やはり表記を考えなくてはいけませんね♪
今年のXmas前からそれに合わせた番外編の用意があるので、そちらでても注意書きか文面に織り交ぜようと今思いました^^

ラブラブ書きたくて突発的に入れた番外編だったので、気に入って頂けて良かったです^^
イラストは、中々自分ではそこまでまだ手が回らなくて^^;頭の中のイメージをお見せできないのが残念です(笑)

いつも有り難うございます^^


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