「パウリンの娘」
パウリンの娘 《番外編》

2012年Xmas特別企画/願いを込めて3 ~パウリンの娘番外編~

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ローレライはVの字型の骨を手にするゼロを見て嬉しそうに言った。

「それ、ウィッシュボーンで言うんですって」

「ウィッシュボーン!?」

「手が離せない料理長の代わりに夫人をエスコートしたお兄様が聞いて来たの」

ローレライの声は何時にも増して弾んでおり、とても嬉しい事なのだと言う事が目に見ても受け取れる。

「それで、これにどのような意味があるんだ?」

ローレライの笑顔に自然とゼロは目を細めて優しく見つめた。

「料理長の奥さまは外国の方なんですって。その国ではクリスマスにウィッシュボーンを食べた二人が願いを込めて互いのウィッシュボーンを引っ掛けて引っ張り合うと折れた時に沢山骨が残っていた方の願いが叶うと言う言い伝えがあるらしいの」

「へぇ~」

「それでね。奥さまは当時料理長とはただのお友達だったらしいのだけど、今日のように一緒にチキンを食べてウィッシュボーンで対戦したらしいの。その時に掛けた願いが料理長といつか結婚できますようにだったらしいの。対戦は奥さまの勝ちで、そしたら対戦直後に告白されて、翌年ご結婚されたんですって。とても素敵だと思わない!?」

「ああ、そうだな」

少し興奮気味で満面の微笑みで何だかとても嬉しそうだ。

ゼロはこの話を聞いた時、対戦直後に告白されたのならば、その願いとは関係なしに既に料理長の気持ちは夫人に傾いていたのではないかと推察したが、この話に目を輝かせ運命のように感じているローレライにそれを告げるのは無粋な気がして、それは控えた。

「分かった。では、私はお前が食べて出て来たその骨と」

「ウィッシュボーンよ」

「ああ、そのウィッシュボーンで対戦すればいいのだな?」

「そうよ!」

ローレライは終始ニコニコ顔だ。

「ならば急いで食べろ。お前も食べてそのウィッシュボーンとやらが出て来なければ何も始まらない」

「そうよね!!」

ゼロに言われて話を止めると、ローレライは嬉しそうにそれはそれは懸命にチキンを口に運び始めた。

なんとかやっと食べ終わり、ゼロと対戦しようとした時だった。

「あっ、言い忘れていたけど、それ引っ張り合うの明日以降だから」

話しを聞いて来てとても協力的だったルシオンが思いがけず水を射した。

「どうしてぇ~!?」

「何か食べた当日は上手く折れないらしいんだ」

「えぇ~~~~~っ!!」

「ああ、成る程な。確かに湿気ってると折れないだろう」

ローレライはあんなにゼロとの対戦を楽しみにしていたのに一気にシュンと静まり返った。

「まぁ、良い。願いを何にするか考える時間が出来て良かったじゃないか」

「私もぅ決めていたのに・・・・」

「もしかしたら一生を左右するかもしれない願いが叶うのだろ!? だったらもぅ一晩でも二晩でも真剣に考え直せば良いじゃないか」

「二晩は無理! 一晩で十分です!!」

少し頬を膨らませ、力強くローレライがそう告げた。

「そうか!?」

ゼロは少し膨れた姿が可愛くて思わず微笑みながらローレライの頭をポンポンと叩くとクシャクシャと撫ぜながら宥めるように抱き寄せた。

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