パウリンの娘

パウリンの娘《第18章8》

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きっと誰が聞いてもゼロの過去は意外なものだろう。

「もぅ10年も前の話だ。あの頃のゼロは今と全然違ってかなりお人よしの坊ちゃんだった。気立てが良くて優しい好青年で実直で真面目。家柄の事を振りかざす事も無く、上からも下からも慕われていた。勿論私もその内の一人だ。ある日姉の結婚が正式に決まり付き添いの侍女を募集した。それに現れたのがあの女だ。上の姉って言うのがあいつが生まれた事で自分が跡取りになれなくなった事を妬んでいてな。それに目を付けたあの女が言葉巧みに丸め込み利用したんだ。何も知らないあいつは騙され罠とも知らずに毒牙にかかった。それがある時変な噂を耳にしてな。何人もの高級貴族に言い寄ってるって話だ。前の家でも色々あったらしい。調べてみるとあいつの爵位に執着して近づいてた事が分かった」

「・・・男の敵だな・・・・」

「あの女の本性を知ってゼロに話したんだが信じて貰えなくてな。当時のあいつはあの女を信じ切っていたから荒療治に他の男との密会場所を調べてゼロを連れて乗り込んだ。以来あの女は俺を恨んでる」

ルシオンは綺麗な女性だとは思っていたが、まさかそんな女とは思ってもいなかった。

「それで、お前とも何かあるんだよな!?」

「私にも当時付き合っていた娘がいてな。元々私の家は貴族とは名ばかりの士爵の出だ。初代が騎士の称号を受けた時に一代限りの貴族の称号として士爵を賜った。だがその後も騎士になる者が続いて今でこそやっと男爵だ。彼女は侯爵家の一人娘で、私は長子だったが跡目は弟に譲っても良いとさえ思っていた。でも相手の親に反対されて有らぬ誤解を受けて結局別れた。あの女当時私が付き合っていた娘の父親とも噂があったんだ。これは憶測だが腹いせに多分あの女が裏で何か画策したと私は思っている」

「あんなに綺麗なら裏で画策しなくても引く手あまただろうになぁ」

「お前、まさかあの女に興味があるのか!?」

「興味があるかないかと言われれば・・・・ある?・・・・かな!?」

「おいおい」

シドは一瞬焦った。
冗談じゃないぞ! あんなのに捕まったらコイツ終わりだ!!

「あれだけしっかりしてたら頼りがいありそうじゃん」

「お前の相手はしっかりした奴の方が良いとは思うがああ言う女だけは止めとけ!」

「いや、別に興味はあるけど、相手とかそんなんは無い! 綺麗だとは思ったけど、話聞いたら怖くてとても・・・・」

「そうか・・・・」

それは、そうだよな。こいつの手におえるような女じゃない。
シドはホッと胸を撫ぜおろした。 

「何かランドンと身内以外でそんなに俺の事心配してくれるのお前が初めて。お前みたいな兄ちゃんが居てくれたらなぁ・・・・」

「・・・・私はお前のような不甲斐無い弟は欲しくないな・・・・」

「酷!!」

ルシオンは頬を膨らませて子供のようにジト目で睨んだ。

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NoTitle 

女難はいつまでもつきまとうのか・・・。
まあ、その辺は運や運命と受け入れるしかないのか・・。。
私も大概ですが、ついて付きまとうものっていうのはなかなか離れなれないものですからね。

年末ご挨拶です。
今年一年ご愛読ありがとうございました。
来年もまたよろしくお願いします。

LandM 様 

女難は現政権下では吹っ切れようがないですね(笑)
何の因果でしょうかね。
王が変われば周囲も環境も変わるので色々彼らにも変化は出て来ます。

こちらこそ今年1年間有り難うございました。
来年も引き続き宜しくお願い致します。
いつも有り難うございます。
良いお年を。
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