パウリンの娘

パウリンの娘《第18章9》

 ←新年を迎えて →パウリンの娘《第19章1》
「まぁ、戯言はそれ位にして、とにかくああ言う女には気を付けろよ」

シドはこのおめでたい兄の事を人間的には好ましく思っているので危なっかしくて見ていられないと言う気持ちがいつも何処かにあった。

「気をつけたいけど、一人で見抜けるか心配かも・・・・」

「心配とか口先で言ってる限りはまだお前は甘いな。心配だったら見抜ける目を自分で持たないとこの先絶対にお前は罠にハマるぞ!」

「脅かすなよ・・・・」

「それにもう一つ教えてやると、あの女は今やオードラル家の敵だ!」

「敵!?」

「あの時の生意気な餓鬼、おそらくゼロの姉さんの旦那の子だ」

「・・・・・俺、付いていけない・・・・。何かドロドロしてないか!?」

ルシオンはこの手の話に免疫が全く無かったので信じられないと言った表情だった。

「そうだな。でも、王都周辺の貴族の間ではたまに聞く程度の話だぞ」

「何かゼロとお前の言ってる事がやっと理解できた・・・・。俺、そんな泥沼の中に足突っ込みたくない・・・・。怖い・・・・」

「だから不本意だがゼロが心配してるし、お前を鍛えてやろうって言ってるんだ」

ルシオンは必要に迫られ、やっと何処かで踏ん切りがついたのか、ついに自らその言葉を口にした。

「分かった・・・・。じゃあ、俺今からどうすれば良い!?」

「そうだな。とりあえずは人の話に疑いも無く直ぐにのるのは止めろ」

「分かった。それから!?」

「先ず相手と話す時、特に初対面は気を付けろ。絶対に気を許すな。疑ってかかれ!」

「最初から相手を疑ってかかるのか!? それって失礼じゃないか!?」

「そんなんだからおめでたい奴だと思われて、あの女からも変なアプローチされるんだ!!」

「分かった! ごめん。気を付けます!!」

「それから観察する。特に目元、口元、手の動き、そして全体の態度」

「えっ!?」

「口は笑っていても目は笑ってなかったり、ニコヤカに笑っていても言われた途端手先で何か合図送ったり、何らかの行動に移す奴も多い。他にも観察しようと思えば幾らでもあるぞ」

「そんなにか!?」

「ああ」

「どうしたら見分けられるようになる!?」

「そうだな。明日からバラサインに戻るまで会う人皆疑ってみろ。そしてその者が何を考えているか考えてみろ!」

「え~~~!!」

「お前はおめでた過ぎるからな。疑う事を覚えないと」

「それってそんなに大事な事なのか!?」

「勿論だ。王宮に出入りする高級貴族の間では騙し合いは日常茶飯事だ」

「・・・・レライ、本当にやって行けるのかなぁ」

「それはゼロが何としても守って行くだろう。ただ、あの直ぐに消極的になるのは頂けないな。もっと自分に自信を持たせないとな」

「それは、俺もそう思う・・・・」

ルシオンは妹の背負った運命の大きさと、自分に向けられた役割に己の使命を初めて感じた。

良かったらポチッとお願い致します^^

にほんブログ村


総もくじ  3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ  3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ&感謝
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【新年を迎えて】へ
  • 【パウリンの娘《第19章1》】へ

~ Comment ~

NoTitle 

おかえりなさい~^^
すみません!まとめて一気読みしました~!
BLの方書くの忙しくて…(ノリノリだったんです^^;)

お兄ちゃんやっとボンボン自覚?(笑)
主従だけでなくこちらもいいコンビになりそうですね♪
しかしゼロの過去…!
…バレるかな?(笑)

HANON.H 様 

ただいま~♪
さっき覗いて来ました。
コラボ企画があるようで、楽しそうですね^^

お兄ちゃん、やっと少し自覚です(笑)
シドとは今後もかなり関わりは出て来る関係になるんですが、それは本編で入れるか分かりません。
あるキャラを出すか出さないかで状況は変わって来るので。(その時はまた番外編書く!?(笑))

ゼロの過去、兄から漏れるか余所から漏れるかバレないか?本編で何処までバラすでしょうか?(笑)
本編終了後に番外編で載せる予定の短編の方ではかなりバラしてますが(笑)

NoTitle 

ルシオンさんみたいな人は、政治の中枢の権力とは関係ない名誉職に据えておけば、その裏表のない人柄で、宮廷内での意見の調整に大いに役立つと思うであります。

というかそのために生まれてきた人なんじゃないのかこの人(^^:)

ポール・ブリッツ様 

確かに~♪
この時点のルシオンでは荷が重いかもしれませんが(ってか、頼りなさすぎ^^;)、もう少ししっかりしてくれれば・・・・、新連載前に書き上げた番外編の後の話としては数年後なら有り得るかもしれませんね。

ルシオンにもそのようなポストを与えられるかもしれない可能性を見出して頂けて有難うございます^^
この話を聞けば本人も大喜びするに違いありません(笑)

いつも有り難うございます^^
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【新年を迎えて】へ
  • 【パウリンの娘《第19章1》】へ