パウリンの娘

パウリンの娘《第19章6》

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オードラルの屋敷へ今回は正門から堂々と入ると、厩舎に馬を預けゼロは皆を引き連れて正面から帰宅した。
玄関には既に執事が待っていた。

「お帰りなさいませ坊ちゃま。皆様も良くお越し下さいました。どうぞこちらへ」

全て心得ておりますと言いたげに、そう告げると執事は皆を中へ招いた。
バラサインのザンゾール公の屋敷もとても煌びやかで目を見張ったが、ゼロの実家であるオードラルの屋敷は豪華だが趣が少し違う。
調度品は重厚感のある木製。とてもシックで落ち着きのあるもので、豪華だがそれを華美しているようには見えず、この品の良さにザビーネ様の趣味の良さを伺わせた。

「こちらです」

執事の案内で応接室の扉が開かれると、待ちかねていたように屋敷の夫人がローレライを見るなり抱きしめた。

「まぁ、ローレライ!! 本当に良く来てくれたわ! まさかアイスラントが貴方と出会うなんてね。とっても幸運な運命の悪戯だわ。私たちは貴方を歓迎するわ。ね、貴方」

「ああ。良く来てくれたね。私も常々君に会ってみたいと思っていた。・・・・君をずっと待ち望んでいたのだ。・・・・しかし、本当なのかね!? うちの馬鹿息子が本当にパウリンに!?」

ゼロと同じ声の主にローレライは緊張が少し解け、自然とその質問に答えていた。

「あっ、はい。私にはとても幸運な事でした」

「そうなのかね!?」

「はい・・・・」

ローレライは少し恥じらいながらそう告げた。
ゼロの言う通りとても好印象の両親にホッと胸を撫ぜ降ろし、ゼロの方をチラッと見つめ微笑んだ。

ゼロは微笑み返しローレライの頭をポンポンっと軽く叩いた。

「歓迎して頂けるのはローレライだけですか?」

ゼロはそう告げると父の様子を伺った。
父とは王宮を出る件で仲違いし、そのまま連絡すら取っていなかった。

「いや、これは失礼した。皆さんも良く来て下さった。私が主のゼロード・ブルーム・フォン・オードラルです。こちらが妻のザビーネです」

「本当に皆さん良く来て下さったわね。いつもアイスラントが本当にお世話になって。今日はゆっくりして行って下さいね」

にこやかにゼロの母がそう告げた。

「こちらがローレライの兄でイシュラルのご領主アシュド伯の長子ルシオン殿と従者のランドン、その隣がご存じのシザーレ、ハビロード。ルシオンとランドンにも色々協力して貰っています」

ゼロも両親にそう紹介した。

「まあ、それは申し訳ないわね。ご領地の方はこんなに留守にして大丈夫なの!?」

「はい。一度報告には戻りましたし、両親からも妹を頼むと言われておりますので。妹の背負った運命を私も心して一緒に受け入れて行こうと思っております」

「まぁ、それは心強いわね」

「はい」

ザビーネとローレライは互いに目を合わせるとニッコリ微笑んだ。

ルシオンのいつもとは違う面持ちと言動に普段を知る者は苦笑いを浮かべている。
ルシオンは今にも“なんだよ”と言いたげに少し不機嫌そうにチラリとその面々を見つめ返した。

「ルシオン様、ご立派です」

主の異変に気付いたランドンが賺さず敬意をはらった。
ルシオンの表情は一変し、心なしか嬉しそうだ。
流石ランドンだ。お蔭で話の流れも変えやすくなった。

「それで母上、早速、例の件なのですが・・・・」

ゼロに長居する気は毛頭な無かった。

重大な局面に母がどのような対応を考えているのかゼロは最初神妙な面持ちで身構えた。しかし、そこには緊迫した様子は微塵も感じられなかった。
それ所かかなり落ち着きをはらっている。

「グルバルト家はきっとローレライ、貴女には協力的だと思うわ」

ゼロは思いがけない母の言葉に一瞬言葉を失った。

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~ Comment ~

NoTitle 

すみません~~m(_)m
なかなか来られなくて~~~^^;

ゼロくん初めての本気の恋だもんねぇ…
仕方ないね~~(笑)
無意識に…ってね~v-10

はのん様 

いえいえ、いつも有り難うございます^^

そうそう、自分の知らない部分を見つけては楽しくて仕方がないって感じです。
ホント、何か最近ゼロが可愛いんですけど、私だけ!?(笑)
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