パウリンの娘

パウリンの娘《第20章3》

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グルバルト公爵は協力の表明をした後で、直ぐに付き添って来たシザーレとハビロード、そしてゼロの父である宰相の退出を願い出た。

「伯父上、この者達は私の今後を共に担う者達です。それに父も私に協力する事を誓ってくれております。この場に居る事をお許し願えませんか?」

「いや、こればかりは申し訳ないが・・・・。我が家の機密を話さなくてはならぬ事態の様だ。今後の政権についての話ならばアイスラントの好きにして貰って構わないが、我が家の事を縁者以外の者にお話しする訳にはいかない」

グルバルト公の瞳は一点の曇りもなく強い意志で固められているようだった。

「我らは席を外そう。書庫で待たせて貰っも宜しいか!?」

「勿論です。では、こちらに」

「構わんよ。場所は分かっているから」

「いえ。私も用がありますので」

宰相と共にシザーレ、ハビロードも快く承諾し、深々と頭を下げると公爵に連れられて出て行った。

公爵は3人を2階にある書庫に案内すると、そこには一人の若者が待っていた。
公爵の姿を見るなり読んでいた本をパタリと閉じると隣に置いてあった古い本を手にした。
ゼロより少し年下だろうか。

「叔父上、ご無沙汰しております。申し訳ございませんが暫くこちらでお待ちください」

公爵がここに来た時点でどう対応すべきか、きっと算段されていたのだろう。
そう告げ、宰相に一礼すると公爵と共に書庫を後にした。


応接室に戻り公爵がローレライに紹介したのは息子で次期当主、ゼロより5つ年下の又従兄弟になるブレイドだった。
ゼロはその懐かしい顔を見て微笑むと握手を交わした。
そしてブレイドは隣にいたローレライにも手を差し出す。

「父から今伺いました。貴方がパウリンの新たな後継者だそうですね。感激です!」

とても清々しく爽やかな瞳で告げられローレライも安心して手を差し伸べた。

「こちらこそ、お会いできて光栄です」

この方がゼロの御親戚の方なのねと思いながらローレライは嬉しくなりニッコリ微笑んでそう告げた。


「先程私が告げた事柄は全てこのブレイドが持っているこの書に記されてある事なのです」

ブレイドの持つ古い書物の外装を見てザビーネは驚愕した。

「その表紙は・・・・私が持っている物と同じだわ!」

ザビーネが持っているのは初代パウリンの所有者となったオルガゾーレ妃が記した書でページを捲ると内表紙に『真実の書』と記されてある。
代々パウリンの後継者にのみ受け継がれている書物だ。
それと同じものがどうして・・・・・?

「これが我がグルバルト家の機密です」

何処で入手した物なのか!?
自分が大切に保管してある物と相違なく、まさか知らぬ間に盗まれて!?
いや、そんな筈はない!

「その書物を何処で手に入れたの? それは出回る事の許されるような物では無いわ!!」

ザビーネは考えが纏まらないまま、気が付いた時には声を荒げてそう叫んでいた。

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