パウリンの娘

パウリンの娘《第20章4》

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公爵はその言葉に訝しげな表情を浮かべた。

「ザビーネ、お前は何か勘違いしているのでは無いか? これは余所から入手したようなものでは無い。我が家に代々受け継がれてきた、それも跡継ぎの長子にしか存在自体語る事の許されないものだ」

ザビーネはまさか自分が大切に預かって来た初代パウリンの祖となるオルガゾーレ妃の書が2冊存在しているとは夢にも思っていなかった。

「・・・・まさか、オルガゾーレ様はグルバルト家の出なの?」

「違う。オルガゾーレ妃の娘の嫁ぎ先だ。妃の次のパウリンの後継者は実の娘だった。これはその娘に託した『秘密の書』だ」

公爵は内表紙を開き、ザビーネに見せた。

「・・・・本当だわ・・・・。確かに『秘密の書』と書かれてある・・・・」

それはザビーネの持つオルガゾーレ妃から伝わる『真実の書』と同じ筆跡で、間違いなくオルガゾーレ妃が書かれてある事を認識した。

「その由縁か、今まで我が家は一番多くパウリンの所有者を出して来た。そしてこの記述の予測によると“我が家の流れを汲みし者、遠い時を経て新たなるパウリンの娘として誕生する”とある」

「流れを汲みし者?」
 
「では、ローレライは180年の歴史の中の何処かでグルバルト家と血縁関係にあると言う事か?」

「記述が正しければそう言う事になるな。ローレライ嬢、君のミドルネームのオーロラと言うのは誰から授かったものだい?」

「分りません。母方の女の子のミドルネームは全てオーロラなのです。母もお婆様も皆ミドルネームはオーロラで・・・・」

「偶然では無かったのね。私のミドルネームもオーロラなのよ、ローレライ」

「ザビーネ様も!?」

「オルガゾーレ妃の娘の名はオーロラと言うのだ。そして、グルバルト家は流れを汲む女子に代々ミドルネームとしてオーロラと名付ける事を義務付けている。それはこの書に記載されているからだ。おそらく後世になって血が薄れても探しやすいようにと言う配慮だったのだろう。だから我が家系の女子のミドルネームは皆オーロラでザビーネの母のミドルネームもオーロラだ」

「そんな事って・・・・」

ローレライもゼロもザビーネも驚きを隠せない。
180年の歴史の中でほんの僅かでもここにいる皆は血縁関係にあるなんて・・・・。
でも、確かに思い当たる節はある。
物心ついた頃からずっと母から将来娘が生まれたらミドルネームはオーロラと名付けるように言われて来た。
母はその意味を知らなかったけれど、それにはこのように重大な秘密が隠されていたのだ。

「そして、この記述によるとローレライは同じなのだ。オルガゾーレ妃と」

「同じ!?」

「オルガゾーレ妃もパウリンを手に生まれて来たのだ」

「えっ!?」

ローレライは思いがけない告白に恐れ慄き、瞬きをするのも忘れた。

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