パウリンの娘

パウリンの娘《第20章5》

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ローレライは少し震えているようだった。
ゼロとザビーネも驚きを隠せず、そしてローレライに皆が注目した。

「全てはそこから始まったのだ。だからもしかしたら君がオルガゾーレ妃の生まれ変わりなのではないかとさえ私には思えて来るよ。君は皆の期待を一身に受けた云わば原石のような存在だ」

そう告げたのはブレイドだった。

「そんな大それた事は・・・・」

ローレライは今の自分の力を知っている。
やっと覘きたいと思った時にその場面が映し出せるようになったくらいで、後は勝手にこれからの導きのようなものがたまに覘けるだけ。
このように遠い未来の出来事まで予測できるような力を持てるとは到底思えなかった。
パウリンの後継者と言う自分の運命を受け入れる事さえやっとだったのに、そのように思われても自分は受け止め切れない。
考えている内に逃げ出したくなり、思わず立ち上がろうとした時、目の前がクラクラして来て頭を抱えるとフラッと意識が少し遠のいて行くのを感じた。

「おい! 大丈夫か!?」

ゼロは直ぐに顔面蒼白になったローレライを再び座らせた。

「変な期待は止してくれ! こいつは今ある運命を受け入れる事さえやっとだったんだ! 祖先がどうだったかなんて関係ない! こいつはこいつで今必死にその運命と向き合っている。その事だけを認めて協力してはくれないのか!? 頼む・・・・」

ローレライの肩を抱き支えながらそう告げた。
そう言いながらも心配そうにずっとローレライを気遣っている。

「いや、悪い。私はこの書を読んでからずっとオルガゾーレ妃に憧れていたものだからつい・・・・。同じ力があったら良いなと思っただけで、だから如何とかって訳ではないんだ。新しいパウリンの娘が誕生していた事を知って、凄く嬉しくて・・・・」

ゼロから諌められて慌てふためくブレイドは父を見つめると眉を顰めて情けなさ気に助けを求めた。

「ブレイドは私以上にパウリンの崇拝者だ。勿論、我が家は全面的に協力を惜しまない。ローレライ、今の君に過大すぎる期待は求めないよ。今ある力を最大限に利用して新王を導く者としての役割を今は果たしてくれればそれで十分だと私は思っている。それから先の事は新王と話し合って決めて行けばいい。パウリンの導きのままにね」

ローレライはその言葉に少し救われた。

「有難うございます」

公爵は息子の頭をコツンと軽く叩いた。
ブレイドは申し訳なさそうに少し小さくなっている。

「すみません。こちらに来るだけでも凄く緊張していたものですから・・・・。その上驚く事ばかりで、もぅどうして良いのか分らなくなってしまって・・・・。申し訳ありませんでした。大したことはありませんので・・・・」

ゼロはローレライに辛かったらもっと持たれていいぞと肩を貸し、皆はその姿を微笑ましそうに眺めた。
唯一人を除いては・・・・。

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~ Comment ~

NoTitle 

その一人ってだ~れだ?
気になる~~^^;
せっかくいい感じなのに~(>-<)
運命に翻弄とか、やはりFTには欠かせませんね~^^
続きも楽しみにしています~~♪

はのん様 

その一人は・・・・一人しかいません(笑)
でも、そんな大きな問題にはならないかな~^^;
ゼロ的には心中穏やかではないけど。
翻弄されるのはローレライだけではありません(笑)
お楽しみに♪
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