パウリンの娘

パウリンの娘《第20章10》

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ブレイドが落ち着くのを待ち、その場を収めるとゼロは事の詳細を告げるべく公爵の許に戻った。

「少し誤解がありましたが、何の問題もありません。私の連れの者ともう直ぐお茶を持って来るでしょう」

ゼロは伯父にそう報告した。
ブレイドと一緒にいる連れの者とは勿論ハビロードだ。
ハビロードの監視の許、ブレイドは茶葉を厳選すると二人で一緒に応接室に戻って来た。

「お待たせいたしました。ハビロード殿の指導の下、厳選した調合です。少量血流効果を促すジオウとリラックスして頂く為にカモミールが入っておりますが主はダージリンですので飲みにくいと言ったことは無いと思います。ぞうぞ一息ついて下さい」

そう告げたブレイドの瞳は落ち着きを取り戻していた。
ブレイドのハビロードを見る瞳は尊敬の念を抱いており、その矛先が今度はハビロードに注がれている事にゼロは安堵した。
当のハビロードは少し煙たがるかもしれないが、次期当主のブレイドに慕われれば今回の元侍女への嘆願もより後押しして貰える事は固いだろう。
悪い話では無い。

「ほぅ、ハビロード殿は薬学の知識もおありなのか?」

息子からハビロードの指導の下との話を聞き、公爵はにわかに興味を示した。

「はい。実家が代々薬師の家柄でして、私も子供の頃より随分と仕込まれました」

「ご存じありませんか? 祖父はあの調薬学の権威、ブルバード元男爵です」

ゼロが口添えするとそれは凄い反響だった。

「おおそれは凄い!」

「いえ、祖父は祖父、私は私ですので」

「そうなのです。とても謙虚であられて、私は先程聞いて以来もぅ尊敬を禁じ得ません。是非ご指導を仰ぎたいものです」

「おお! それは良い!!」

公爵も乗り気の様子だ。

「いえ、そのよあな事はご勘弁下さい。私は多少他の者より知識がある程度で落ちても騎士の端くれであると自負しておりますので・・・・」

ここまで見込まれるのは有難いが、ハビロードにとってそれは迷惑以外の何ものでもなかった。
困り果ててこちらの方をチラ見するのに気付きゼロは苦笑いした。

「申し訳ありませんが、ハビロードは私の今後を担う重臣となる人材です。確かに調薬学の知識は豊富ですが、その事を含め重大な任に就ける予定です。ご容赦ください」

「分かった。現段階では致仕方がないか・・・・。では、落ち着いた頃合いを見て、またお誘いしてみよう」

「・・・・申し訳ございません」

ハビロードは内心厄介事を抱え込んだようで気が重かったが、事を荒立たせたくはなく、一言告げると深々と頭を下げた。

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~ Comment ~

NoTitle 

惚れ薬の材料になるのはギャースカ大魔王のナミダだけです(笑)。懐かしいなDr.スランプ……。

それにしてもブレイドくん、裏切者になる気マンマンとしか見えません(^^;)

ローレライほしさに我王のもとへまっしぐら、とか……(^^;)

また続きを読みに来ますね~(^^)

ポール・ブリッツ様 

懐かしいですねDr.スランプ^^

ブレイドは、確かに少しひねくれたキャラですね^^;
我王手を組むほど落ちぶれてはいませんが、終盤またちょっとやらかしてくれます^^;
ある意味彼も大人になりきれない子供なのかもしれません(笑)

いつも有り難うございます^^
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