パウリンの娘

パウリンの娘《第21章4》

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おそらくハビロードなら明日には詳細を掴み報告してくれるだろう。
ゼロはそう信じていた。

「今日の所はこれ以上話す余地はないと思います。伯父上はこのままの状況ではグローバル男爵夫人とお会いするつもりは無いようですし」

「すまん・・・・」

強情者と言われようと妻の気持ちもある。自分勝手な行動はとれないと公爵は思っていた。

「大丈夫ですよ。その時は私が協力しますから。ハビロード殿がお困りなのに朴ってはおけません」

ブレイドが嬉しそうにそう告げた。

「有難う。それは助かる」

ブレイドの申し出は今のゼロにとって、とても有難いものだった。


ハビロードは支部に戻ると現在この支部を任されているフリードルに事の詳細を話した。
各々任された仕事がある。勝手には仲間と言えど連れてはいけない。

「ただの情報集めなら下の者に任せても差し支えないでしょうが、探りを入れている事を男爵の周囲の者に知られるのは不味い。ハビの信頼のおける配下の者がいれば一番良かったのでしょうがすみません。使える者は直ぐに依頼が付くので。サビエルとミゲルが今日戻る警護の仕事に付いています。明朝には合流させますので、それまでは私が」

「良いのか!?」

「少し思いついた事があります。なので別行動になりますが許してください。その男爵夫人が鍵となっているのならば、先ずはグルバルド公に折れて頂かなくては」

そう告げると二人は早々に支部を後にした。


ブラックナイトは裏と表の二つの顔を持つ。
裏の顔は我王を退け、良識ある者を新王に据える事。
その為に秘密裏に我王を引き摺り下ろす為の情報集めをしている。
表の顔は信頼のおける護衛集団。庶民から高級貴族まで有りと有らゆるニーズに応えている。
お得意様は高級貴族や成り上がりの金持ち。
馬車での移動時に盗賊に襲われる心配も元騎士の護衛で解消される。
そう言う者は多少割増料金になろうと金に糸目を付けぬ為隊長以上の経歴を持つ者を指名してくる。
依頼は様々で令嬢の帰宅までの護衛から個人宅の警護に就いている者もいる。
それらがブラックナイトの大きな収入源となっている。
ただ、その所在は誰にも明かされておらず各所に配置された連絡用のBOXに依頼内容等を記載して投函する事が唯一の連絡方法となる。
依頼内容を確認するとこちらから直接連絡を取るようになっている。
故に知る者ぞ知る存在である。


フリードルはサビエルとミゲルが警護の仕事を終え男爵邸を出ようとするのを捕まえる。事情を説明し早朝ハビロードとの合流場所を知らせるとオードラルの屋敷へ急いだ。
少しでも早く今掴んだ情報をゼロに知らせる為に。

グルバルト家に出向いた者達は現段階でこれ以上の話し合いは無理と判断し、明後日の約束を再び取り付けると、シザーレに支部への連絡を頼み一度屋敷へ戻っていた。

「何だ!? その臭いは。おまけにお前がその様な容姿で現れるとは珍しいな」

ゼロはフリードルの貴族の子息が着る煌びやかな服装を見るなりそう告げた。

「裏で手をまわして先程ビグニーゾ男爵家の仮面舞踏会に行って来ました」

「・・・・お前、良く潜れたな。あそこは警護が堅いだろう」

「運よく依頼が入っておりまして、サビエルとミゲルが警護に加わっていましたので」

ああ、それでとゼロは納得する。

ビグニーゾ男爵はグローバル男爵と旧知の仲だと聞いている。
共に黒い噂が絶えない。
好色と言う点でも同類で昔から仲間内を集め時折仮面舞踏会と称して密談が行われていると言う噂が絶えずあった。

「で、どうだった!?」

「とんでもありませんでした・・・・。入って早々40過ぎの熟年夫人に纏わりつかれて・・・・これを見て下さい・・・・」

フリードルが開いた襟元の首筋には、くっきりと赤い痣の跡があった。
ゼロは苦笑いするしかなかった。

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NoTitle 

こんにちは~^^

例のモノ明日upしますね~~♪
朝、かな…(多分)

…それはいいけど…
やっぱり脳内から上手く変換出来てませんよ…↓
スミマセンです…m(__)m
おかしいなぁ~~e-263

HANON.H様 

えっ!? もぅ!?
多分朝ね^^
ああ、早く明日にならないかしら♪

いえいえ、脳内そのまま変換できたらプロの領域よ!
私なんてもっと全然だから(笑)
楽しみにしてます♪
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