パウリンの娘

パウリンの娘《第21章6》

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サビエル、ミゲルはグローバル男爵邸に出入する者を、ハビロードは男爵の出仕を見送ると、夫人の行動を偵察していた。
男爵夫人は、午前中は娘と養護施設の慰問に参加し持参した材料で食事の支度を手伝ったりしながら和やかに過ごし、午後からは数件の民家渡り歩き、こちらでも何か世話をやいているようだった。
夫人と娘が帰宅したのは午後3時過ぎ。
その姿を見届けるとハビロードは夫人が立ち寄った店や施設、民家を訪ね歩いた。
そして判明した新事実。
夫人が午後から訪ね歩いていた民家は男爵が認めていない落とし子の家で、時折食べ物や生活備品を持参しては援助しているとの事だった。
今日夫人が訪れただけでも3件、尋ねた婦人の話では他にも落とし子は居るらしい。
その後サビエルとミゲルの情報を集約し、更に驚いたのは夫人の口利きで現在屋敷に仕えている23歳の従者は男爵の落し子の一人だと言う。
夫人の行動から見て、落とし子に対する現在の待遇は夫人自らが夫に隠れて秘密裏に行っているものらしい。
と、言うのも男爵は庶子を一切認めてはいない。
夫人は意に沿わぬ結婚を強いられたばかりか、屋敷に入ってから知り得た夫の身勝手な行動に涙を呑んだ者達を遇し日々娘と共に生活を送っていたのだ。
何と言う精神の持ち主なのだろう。
ハビロード、サビエル、ミゲルの3人は何としても夫人を男爵家から救い出してやりたいと思った。


報告に訪れたハビロードの告白は、ゼロの想像を遥かに超えたものだった。
公爵家を出る意思を固めた時、マリーカ嬢の告げたと言う言葉が思い出される。

「夫人は全く変わっていなかったのか・・・・。いや、もっと広い心を持つ者になっていたのだな」

夫人のようなケースの場合、自暴自棄になり身を滅ぼす者の話も時折耳にするが、多くは開き直り結局は子供の為にその座におさまろうとする者が多い。
夫人の様な行動を取る者を今だかつて聞いたことが無かった。

「しかし、腑に落ちません。そのような者がどうしてあの時私の問いに何一つ答えて頂けなかったのか・・・・」

「そうだな。そのような夫人ならば、知っていれば皇太后の所行を見過ごす事はしないとは思うが・・・・」

「だから、分らないのです」

状況から見て、間違いなく我王は前王の御子では無い筈なのだから。

「とにかく今は全てをグルバルド公爵に話し、夫人を説得して貰うしかないだろう。間違いなくこの状況を聞けば、公爵は協力してくれるはずだ。我々も夫人の考えを聞き、男爵家を何れ出るつもりならばその協力をさせて貰おう」

「はい」

先ずは公爵と夫人を会わせる事が先決だ。
公爵が納得してくれたとしても夫人は気まずさを拭えないであろう。

「先ずは公爵に明日の時間の変更を頼む。その後お前はブレインに接触をしろ」

「ブレイン殿に!?」

「奴は父が無理でも自分は協力すると言ってくれた。だからこの際役に立って貰う」

そう言ってゼロが打ち出した案は意外なものだった。

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