パウリンの娘

パウリンの娘《第22章2》

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夫人は誰の目から見ても驚きを隠せずにいる事が手に取るように分かった。

「この様な場所でお聞きになるなんて、失礼ではありませんか!?」

途端、夫人の態度は一変した。明らかに周りを気にしている。

「お気になさる事はございません。ここにいる者は全て知っておりますから」

「・・・・すべて・・・・知っている!?」

半放心状態で驚きを隠せない様子で夫人は言葉を口にした。

「・・・・おじ様!?」

少し首を傾けながら公爵の方に目を向けた。

「すまん。この様な形でお前に聞き出す事になろうとは思いもしなかったが・・・・出来れば全てを話してはくれまいか? このままではこの国は何れ立ち行かなくなる。ザラゾール王が王家の血筋を受けていないのであれば尚更、次の者にこの国を託す義務が私にはあるのだ」

「おじ様に義務がお有りなの!?」

「そうだ。理由は詳しくは語れないが、私は新たな王を迎え、この国に立ち直って貰うと決意した。この国を私の代で・・・・滅ぼす訳には行かないのだ・・・・」

「滅ぼすなんて・・・・そんな・・・・」

夫人は公爵の思いも寄らぬ告白に身震いした。
まさか国が亡びの道を歩んでいるとは夢にも思っていなかったのだ。

「このままでは暴動や内乱は近い内に必ずやって来る。王都にずっといる者には理解できないだろうが、既に重税に苦しみ家族を亡くしている者も少なくはない。18年に亘る王による国の私物化はそろそろ歯止めをかける者が必要なのだ」

「・・・・・」

夫人はその言葉に黙り込んでしまった。

「私は、略奪は好まない。話し合いで解決できるものであれば解決したいと思っている。しかし、貴方から何かを聞き、それを知り得た所で穏便に解決出来る保証は何一つない。
ただ、事実を捻じ曲げて現王在位に協力しているのであれば、この国を腐敗させた責任は貴方にもある。前王には聡明な王弟ザンゾール公もいらした。跡継ぎの無いままであったとしても、あの方ならば前王の遺志を継ぎ平穏な国を治める事も出来た筈だ。そうであったならば少なくとも国政はここまで衰退していなかった」

「・・・・貴方が王にとって代わるおつもりなの!?」

「不本意ながら、そう言う運命にあるらしい・・・・」

ローレライは胸にズキリッと痛みを感じた。
おそらくゼロに他意は無い。
しかし、その運命に導いてしまったのは自分なのだ。

「運命・・・・」

夫人はポツリとそう呟いた。

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