パウリンの娘

パウリンの娘《第22章8》

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夫人へは手筈が整い次第、ハビロードを介して連絡を取る事にした。
先ずは支部に戻り、全てを皆に報告する義務がある。
その任をシザーレとハビロードに任せて自分は一先ずオードラルの屋敷へ戻るとルシオンの部屋を訪れた。
主の部屋には従者のランドンもおり、グルバルトの屋敷での顛末を話すには好都合だった。

「やはりそう言う事でしたか・・・・」

ランドンが話を聞いて納得していた。

「だから私も一緒に行きたいの。お兄様からもお願いして!」

ローレライは兄に城へ交渉に出向く折、一緒に行ける様にゼロを説得して欲しいと懇願していた。

「いや・・・・、レライ・・・・悪いけど、そればかりは協力出来ない・・・・」

それには兄も渋り顔だった。

「どうして!? だってこれは私に課せられた運命でもあるのよ!? ゼロに新王になる人だと告げたのは私だもの!!」

「そのような事は関係ない。受け入れた時点でそれは私の責任だ。己の運命を気にするのならばこの交渉が上手くいくように祈っていてくれ」

「祈るだけだなんて・・・・」

ローレライはゼロから必要とされていると言う実感が欲しかった。
同等の立場で時間を共有し、より強い絆を作ろうと試みていたのかもしれない。

「この話は既に終わった事だ。それにお前が一緒だから夫人は娘を任せてくれたのだ。お前は夫人の娘と仲良くなれる事だけを考えてくれればいい」

ゼロはニッコリ微笑みかけると優しくそう告げた。
いつもならば、それで納得するはずのローレライも、今日ばかりは勝手が違っていた。

「・・・・不本意な運命を押し付けた私が、これ以上ゼロだけに迷惑はかけられないわ」

グルバルトの屋敷でボソリと呟いたゼロの言葉がずっと気になっていた。

「不本意だ等とは思ってはいない」

「嘘よ! 不本意だって言ったわ!! 不本意だけどそう言う運命にあるみたいだって夫人に言ったわ!!」

「それは!!・・・・それは、ザンゾール公を次の王にと思って挑んでいた目論みが外れたからそう言ったまでで他意はない」

「それでも好ましく思っている訳では無いのでしょ!? それなのに・・・・私の運命に付き合ってくれているゼロにばかり重荷をかけて、このままでは私は何のために使命を持って生まれて来たか分らない・・・・。私はゼロにばかり迷惑をかけたくないの」

「迷惑だ等と思った事は一度も無いぞ」

傍にいられる大義名分が出来て嬉しい位なのに、迷惑に等と誰が思うものか!
ゼロは心の中でそう叫んでいた。

「ならゼロの手助けをさせて」

「話にならんな。勝手な思い込みも良い所だ。手助け所か連れて行く事こそ重荷にしかならない。それに危険も伴うのだから連れては行けないとあれ程言ったではないか!!」

ゼロは半ば呆れたようにそう告げると言葉を吐き捨てた。

「危険なんて関係ない! 私は何時だってゼロとッ」

「お嬢様、それは我儘です!!」

ローレライが半泣きになりながら叫び出した時、ランドンがそれを制した。


(1013.02.11(一部改))

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