パウリンの娘

パウリンの娘《第22章10》

 ←パウリンの娘《第22章9》 →パウリンの娘《第22章11》
ゼロの去り際のあの寂しげな眼差しが目に焼き付いて離れない。

「レライ、言い過ぎだよ」

兄に諫められる。

「分かってる・・・・」

ゼロのあのような表情は初めてだった。
何時だって頼りになって、自分がどんなに感情を乱しても、最後には温かく包んでくれた。
だからつい、いつも我儘を言ってしまう。甘えてしまう。
大丈夫だと言って欲しくて・・・・。

「あいつ、とても傷ついた顔してた」

「・・・・・」

「レライはさぁ、パウリンに囚われすぎてるんじゃない!?」

「え!?」

「運命だとか使命だとか色々言われて振り回されてるけど、もぅ止めちゃったら!?」

「・・・・止めるって、そんな事出来る筈ないじゃない?」

物に囚われない考え方をする兄は時折突拍子な考えを口にすることがある。
それに助けられることも今まで多々あったが、今回ばかりはに何を言い出すのかと思った。

「確かに普通とは違うさ。実際に色々見えたりして凄い力だとは思う。パウリンの力とか国の事は止められないさ。それ位俺にだって分かるよ。でも、少なくともゼロと婚約する事になったのはさ、パウリンの力のせいじゃないじゃん」

「えっ!? でも、パウリンに映し出されたからゼロは私を婚約者として認めてくれたのよ!? 新王になる事を受け入れてくれた・・・・」

「だから、囚われすぎなんだって」

「お兄様、何言って・・・・!?」

ローレライには兄の言っていることが理解出来なかった。

「あのさぁ、レライはパウリンに示されてゼロを好きになったの!?」

「違うわ。お兄様も知っているでしょ!? パウリンに映し出される前に私がゼロを好きになって悩んでいたこと」

「知ってる」

「だったら・・・・」

「だから関係ない」

「!?」

「レライはパウリンの力なんて関係なしにゼロの事が好きになったんだろ!? だったらパウリンなんか全然関係ないじゃん。それなのにどうしてゼロの気持ちがパウリンのせいだって決めつけるんだよ。それ可笑しくないか!?」

兄の考え方は今のローレライには、とても衝撃的だった。

良かったらポチッとお願い致します^^

にほんブログ村


総もくじ  3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ  3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ&感謝
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【パウリンの娘《第22章9》】へ
  • 【パウリンの娘《第22章11》】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【パウリンの娘《第22章9》】へ
  • 【パウリンの娘《第22章11》】へ