パウリンの娘

パウリンの娘《第5章3》

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4人は1日目の目標地点であるサングリアの街を目指していた。
今日は陽射しも強くかなり暑い。
馬達はまだ大丈夫そうだったが、それよりも先にローレライが汗だくになり息遣いも少し浅くかなり辛そうだった。

「ローレライ、大丈夫か? もう少し先に良い影場があるからそれまで我慢できるか!?」

フリードルがそう言うとローレライは頷く。

暫くすると、フリードルは少し横道を外れ早めに休憩を取ることにした。

緑の草原が広がり少し先に小川も流れている。
大きな岩陰に荷物を降ろし、馬達を放してやると自分たちも腰を下ろした。

「風がとっても気持ちいい」

ローレライは少し乱れた髪を結わい直すと、中着のボタンを少し開けて胸元にパタパタ風を仰ぎ入れる。

その姿を見て、ルシオンは凝視した。

「レライ、それは止めようよ」

「だって、とっても暑かったんだもの。どうせ見えないし・・・・」

ローレライの今の風貌は外見は15歳位の少年。
女が居ると思われるだけで何かとトラブルの基にもなり得る事から、胸には布を巻き付け少年のような身なりにしたが、仕草が女のままなので兄には返ってそれが危険な気がしたのだ。

「そんな問題じゃないと思うんだけど・・・・」

17の娘の姿でそれをされるのもかなり不味いが、今の格好でそれをされるのも・・・・。

ルシオンが困惑して眉を顰めるのを見てフリードルが口を開く。

「ローレライ、世の中には、抽象的な少年を好んで近寄る輩もいるからその風貌でそれをやられると別の意味で危険なんだよ。知って見ている私たちがそう感じる位だから仕草にも外では気を付けた方がいいな。誰に見られているか分らない。それにここには私やルシオンのように君を妹と思っていない年頃の男がもぅ一人いるから気を付けてあげないと」

笑いながらランドンをチラっと見る。
するとランドンは

「私の主人はルシオン様だけですから、ルシオン様のされる事以外は特に気になりませんので別に問題はありません。しかし、ルシオン様が気になさる事は止めた方が良いと思います。あの方は妹君の事になるといつも以上に気が散漫になる事がおありですから」

それを聞くとルシオンは苦笑いし、フリードルは大笑いした。

「お前良いよ! ルシオンには勿体ない従者だな」

そう言われるとランドンは有難うございますと頭を下げ、ローレライは仕方ないとなぁとボタンを留めた。

ランドンが小川の水を汲んできてくれたのでローレライはそれを飲み、横になって頭も冷やす。
とても気持ちがいい。
屋敷の者が持たせてくれたパンとベーコンの燻製を出して昼食の準備をしてくれているのが目に入る。
そう言えばお腹も空いたなと思っていたら・・・・、いつの間にか意識が遠のいて行った。

ハッとして目覚めると馬達はまだ放され自由に草を食んでいた。
兄たちは既に昼食を食べ終わっているようで、1食分だけ残されていた。
しまった、いつの間にか疲れて寝てしまっていたのだ!

「御免なさい。私すっかり寝入ってしまっていて・・・・ 」

また迷惑をかけてしまった?と自分の体力の無さが嫌になる。

「気にするな。馬を休ませるのも大切な事だから、その間は私たちも休める時に休んでおかないと」

“ほら”と言われてフリードルが振り向く方へ目を向けると兄も横になって眠っていた。

「ローレライは本当に良く頑張ってるよ。男でも慣れてないとキツイらしい。さぁ、お腹空いてるだろう。先ずは食事して」

そう言われてホッとすると、ローレライはパンを千切り口に運んだ。

食事を終えるとローレライの体調を心配し、予定を変更してもぅ少し小さな町で休もうと話も出たが、ローレライはそれを拒否した。
少しでも早く先に進みたいと、ローレライの頭の中はその事でいっぱいだった。

「本当に大丈夫!? 最初から無理すると後が続かないよ」

兄からも言われたが、それでも大丈夫とローレライが言い張るのでフリードルは次からは気付かれる前に自分から申告するようにと言った。
それを守れなければ、ここからイシュラルに引き返しても良いとさえ。
そう言われればローレライも頷くしかなく、とにかく今は連れて行ってもらえなくては困るので、きつい時は早めに休憩を取らせてもらうと約束した。

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~ Comment ~

NoTitle 

やっぱりお話が動き出すといいね!^^
でも書いてる方は先に進みたくて
もどかしいんだけどね~(笑)
6章ね!楽しみにしてますv-238

HANON.H 様 

そうですか? 有り難うございます^^/
そうそう、もう先に進みたくて進みたくて・・・・結局間飛ばして実際プロットでおさまらず少しラストの方書いちゃってます^^;(書いてたら少し変わるだろうけど(笑))
6章で期待を裏切らないキャラになってると良いなぁ(苦笑)

NoTitle 

コメントのアレになりますが、私は基本的に書き終わってから推敲するので。原稿用紙400枚を2ヶ月で書いて、1ヶ月で推敲や買いなおしや演出などを考えております。あるいは、書きたいシーンを思いついたときに書いておいて、その間間を繋げ合わせるのもしますね。

男性趣味は意外に多いんですよ。戦国時代までは大名が当たり前のように中性的な男性を囲っていましたからね。

LandM様 

時間をかけて推敲するのは理想ですね。
私も昔色々書いていた時は(まだPC導入以前の頃)似たような書き方をしていたのですが、ずっと書くことを止めていたのが、あるきっかけで書き始めたら、書きたい気持ちに抑えがきかなくなり、先走った結果自ら首を絞めてしまいました^^;
殆ど勢いに近かったので、初めてこういう形になり一番自分が最初は戸惑いました^^;
ただ、今は大分慣れてきました。
それでも設定をしっかり作っていないと元々書けないのでプロットは書き出す前しっかり作って書き始めました。
今は記憶とノートを片手に途中で思いついた事などは調整して今作り上げています。
一様いつも書き出す前に、最近のUP品とストックの読み直しをして、訂正すべき点は訂正して続きを書いています。
出来るだけ次回作は余裕をと思っていますが、中々時間が足りません^^;
いつか元の形に戻せればとは思っています。

いつの世界にも男性趣味は居ますよね。
戦国時代の話も幾つか知ってますが、当たり前のような状況と言うのは知りませんでした。
また一つ勉強になりました。

いつも、有り難うございます。
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