パウリンの娘

パウリンの娘《第22章11》

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パウリンに囚われる事のない考え方が出来るなんて・・・・。
兄の考え方はローレライの想像を遥かに超えていた。

「レライがパウリンの力に関係なくゼロを好きになったんだから、ゼロの事だけじゃなく、今起こっている事の全てがパウリンに与えられたものばかりじゃないかもしれないって事だ。それにさ、普通に考えたら婚約者って言うのはあくまでレライが王を導く為の過程であって、パウリンにとって一番重要なのは新王を見つけ出し玉座に据える事なんだろ? だったら受け入れた者が玉座にばかり執着して形だけの婚約者としてレライを顧みなくても全く問題無い訳じゃん? それってゼロとは全然違わない?」

・・・・ゼロはパウリンの事を受け入れてくれてからも今まで以上に自分を大切にしようとしてくれていたと思う・・・・。

「俺にとってのあいつの存在ってのはさ、少なくともパウリンの力とか導きとかは関係ない。大切な妹を任せられる奴かって事だけなんだ。ゼロがイケスカナイ奴で、お前を大切にしない奴だと思っていたらパウリンの導きだったとしても俺は認めない。頼まれたって父上と母上の許にお前の婚約報告になんか絶対に行かなかった」

「お兄様・・・・」

「今回だってお前を心配して連れて行けないって言ってるのに、俺にはゼロよりレライの考えてる事の方がさっぱり分らない。ただ新王になりたいだけでお前を受け入れた奴なら、そんな言葉は絶対に出ない。それにさっきパウリンの力なんて関係ないって言ってなかったか?」

「・・・・では、私がいけないの?」

ローレライは頭の中でゼロに告げられた言葉を必死に全て思い出そうとしたがゼロのあの傷ついた様な眼差しが邪魔をしてその言葉を掻き消していた。
今のローレライにとっては言葉よりもあの姿の方が重かった。

「う~~~ん・・・・。いけないって言うか、考え方の違いって言うか・・・・かみ合ってないだけ・・・・かな!?」

「・・・・かな!?って、お兄様ぁ~」

言うだけ言って事の収拾がつかい所がとてもお兄様らしくて思わず苦笑いした。

「ってか、あのさぁ、もぅそんな事どうでも良いじゃん」

兄になれたらどんなにか心が楽だろうと思った。

「どうでも良い訳ないわ」

「どの道このままじゃゼロは納得しないよ。俺もレライの考え方は受け入れられないし」

「・・・・どうして!?」

「ゼロや俺達には誰が聞いても納得できる理由がきちんとあるのに、レライのは思い込みって言うか、何でそこまで頑ななのか俺にも全く分らない。きっとゼロも同じなんじゃないかな。表面的な言葉じゃなくてレライがどうしてそう思ったのかそこから話さなきゃ今のゼロは動かせないと思う。ゼロって凄い奴だよ。無条件で今までどれだけお前を受け止めてくれた? 明日支部に戻ったらゼロはかなり忙しくなるよ。シドともぅ一人の奴に今準備させてるって言ってたし。まぁ、レライが良いなら何も言わないけど、このままじゃゼロとは今までのようにはいかなくなる気がする。あいつ、今までと全然違ってたから」

兄の言葉に去り際のゼロの姿が思い出され、ズキリと心が痛んだ。

「・・・・・」

良い訳が無い・・・・。

「後はレライが自分で考えて決める事だ。俺があいつと結婚する訳でも王に導く訳でもないんだから」

そう告げるとルシオンは俺も明日の準備があるからと早々にローレライを部屋から追い出した。
ルシオンの場合、準備をするのはおそらくランドンで自分が何をしようと言う訳では無いのだろうけれど、それは妹を思っての言葉だったに違いなかった。

ローレライは兄の部屋を出ると、隣に用意して貰っている自分の部屋の扉の取っ手に手を添えた。
だが取っ手は回される事無く暫く部屋の前でそのまま佇む。
部屋を出る寸前に兄が言った言葉が頭から離れない。そして、ゼロのあの傷ついた様な眼差しが・・・・。

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~ Comment ~

NoTitle 

お兄様!いい事言う~~~!グッジョブ^^b
…でもやっぱあと一押し足らんよ(笑)
さ~ゼロのトコ行っておいで~(^m^)
行かないのかな…?^^;

そのあと離れ離れ?
それ長いのはやだなぁ…←我儘(笑)

HANON.H様 

良い事言うでしょ♪でも、兄だからウヤムヤ仕方ないの。やっぱり兄の傍にはランドンがいないと収拾つかないのよね~(笑)
ゼロのトコ行く・・・・かな^^?
お楽しみに♪

離れ離れはもぅ仕方ないよ~^^;王宮連れて行けないし(苦笑)
長くなるかは私にも分かんない(笑)
今書いてるんだけど、それが何処まで長くなるのか?
私も長いのは書きたくないんだけど・・・・(進み悪いし^^;)
後に繋げたいから頑張る!(笑)
羽音さんも頑張ってね♪いつも有り難うございます^^
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