パウリンの娘

パウリンの娘《第23章5》

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ローレライが納戸の皿の在庫を確認していると声をかける者がいた。

「お嬢様、申し訳ありませんでした」

「あら、ランドン。もぅゼロ達とのお話は終わったの?」

「はい。あの、ルシオン様がまたご迷惑をおかけしたようで・・・・。私の監督不行き届きです」
 
そう言うと深々と頭を下げた。

「そんな。気にしないで。ランドンは今ゼロ達の方も手伝っているのだし、そうお兄様にばかり取り合っていられないのでしょ?」

「はい。正直な所、今後は更に難しくなるかと・・・・」

「私からもお兄様に言っておくわ。サンドラにもあまり迷惑かけられないものね」

「はい・・・・」

やはり、何も気付いていない様子のローレライにランドンはガックリと肩を落し、深いため息を漏らした。

“私の居ない間に暴走されるような事が無ければいいが・・・・”

その事だけがランドンは気がかりでならなかった。


「おい!! そんな奴はほっとけ!! それ位の傷なんか舐めときゃ治る!!」

ゼロ達との話し合いが終わった後、妹の様子を見に来たシドが不機嫌に声を荒げた。

「もぅ、お兄様邪魔しないで」

「お前こんな奴に優しくしてやる必要は無いぞ! つけあがるだけだ!!」

「酷いなぁ、師匠」

「私はお前の師匠になどなった覚えはない!!」

「でも、色々教えてくれるって言ったじゃないか。人を見る目も養えたし、次は何を教えて貰おうかな~」

この忙しいときにお前に等教える暇があるか!!

「私はお気楽なお前と違って明後日にはここを発たなければならんのだ。そんな暇はない!!」

「あ~言われちゃったよ」

サンドラを見てデレデレと笑うルシオンに更に怒りが増して来た!

「明後日からなの?」

サンドラにはおそらく王宮にいかなくてはならなくなる事は話してあった。
そして、留守中に17歳の男爵令嬢をここに連れて来る事も。

「ああ、アイスラントのお供でな。留守中宜しく頼む」

「何々? それって普通男に頼まないか!? 何でサンドラなんだ?」

「人の妹を勝手に呼び捨てにするな。それにサンドラはお前より剣の腕は確実に上だぞ。我が家は代々騎士の出の家系だから父もすぐ下の弟も今だに王宮勤めだし、一番下の14の弟も今見習いで修行中だ。二人の妹たちも自ずと遊びで剣を握っていたから下級兵士並の腕はある」

「すげー!! 俺にも教えて、師匠!」

「だから、師匠言うな!!」

何時になく馴れ馴れしいルシオンに、妹とは違い今は微塵の優しさを掛ける余裕も無い目ざとい兄シザーレであった。

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