パウリンの娘

パウリンの娘《第23章8》

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呼び出され、きっと交渉についての確認事だろうと思っていたものだから、言葉を聞いた途端呆気にとられた。

「えっ!? 私が?・・・・ですか??」

フリードルは思いも寄らないゼロの提案に一瞬頭が真っ白になった。

「ですが・・・・、ルシオンを騙すようなことは私には・・・・」

それはそうだろう。幼馴染であり親戚関係にあるルシオンを、非がある事ならいざ知らず、たかが恋心を抱いた位で騙すような真似はしたくは無いだろう。

「申し訳ありませんが他の方を当たって頂けませんでしょうか?」

それは予想通りの反応で、それだけは認められないと言うフリードルの返答は理解できた。それを覚悟の上での提案であった為、事前にその事を踏まえてシドとも相談していた。
結果ある一つの究極の案を思いつき、それを提示しする事にした。

「いや、なら別にお前の名を出さなければどうだ? お前の次期侯爵と言う肩書と元だが・・・・まぁ、王宮勤務と言う肩書や人となりを貸して貰いたいんだ」

そう告げたのはゼロからこの話を聞き、大ノリで賛成したシドだった。

「はぁ‥‥」

気が抜けたような生返事が帰って来た。

「私としては、この話が本当でも一向に構わないんだが、まぁ、お前にも選ぶ権利はあるし、あんな羽根っ返りを押し付けるのも申し訳ないからなぁ」

シドはガハハッと笑い飛ばした。

「・・・・お人が悪い・・・・」

「どうとでも言え! 私は真面に剣も握れない無知な輩に妹を任せる気には到底なれないんだ」

シドの意志はかなり固いらしい。

「ここを撤退するまてでいい。シドがこんなにシスコンだとは思わなかったが今の段階で仕事に支障を来たされるのは困る。他にあついを黙らせる手段があれば話は別だが?」

何だと!と不機嫌そうにゼロを見つめるシドの姿を垣間見ながら他の選択肢は無いと言われた。
シドだけでなくゼロにまで言われてはフリードルもかなり辛い。

「・・・・ランドンには相談したのですか?」

「これを提案したのはランドンだ」

それを聞くとフリードルは大きくため息をついた。
最後の頼みの綱まで絶たれては、もぅ為す術は無かった。

「・・・・分りました・・・・。くれぐれも私の名を出さないようにそれだけは宜しくお願い致します」

自分では無く、架空の人物を作り上げるとは言え、知っていてルシオンに黙っているのはかなり後ろめたかった。
フリードルは心の中でルシオンに詫びると深々と頭を下げた。

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