パウリンの娘

パウリンの娘《第23章11》

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支部へ到着し、ランドンは馬車を停めると直ぐに座席の方へ回った。

「お疲れ様でございました」

そう告げ、扉を開くと直ぐに令嬢が降りて来た。
辺りを見回すと不機嫌そうに一言こう告げた。

「何も無い所なのね」

「エリナ、言ったでしょ。身の安全の為に保護して頂く場所だって。だから素直に感謝の気持ちを常に忘れずに・・・・」

「それは、こちらが望んだ事では無いわ。お母様に何かあったら絶対に許さないんだから!!」

そう言うとキッとランドンを睨みつけた。
かなりこちらもまたサンドラ嬢とは違った意味で元気のよい令嬢のようだ。

「申し訳ございません」

深々と頭を下げるランドンの前にスッとゼロが立ちふさがった。

「この者には何の責任も無い。ここの責任者は私だ。無理を承知でこの計画にのって頂いた。夫人は何があっても我々がこの手でお守り致します」

「当然です!!」

「エリナその様な言い方は止めなさい。失礼です。先日も言った通り今回の責任の全ては私が若い頃に侵した過ちから始まっているの。この方たちはその尻拭いをして下さっているのよ。感謝こそすれその様な言いぐさは私が許しません! もし、何かあったとしても、それは私の責任なのよ」

「でも、お母様・・・・」

「既に話は終わっているわ」
そう告げると夫人はプイッと娘から離れた。

「お待たせ致しまして申し訳ございません。参りましょう」

夫人はニッコリ微笑むと再び馬車へ乗り込む。

「お母様! だから、その理由を教えてってば! そのような事を急に言われて、この様な所に連れて来られて分れって方がどうかしているわ!! お父様にも内緒だなんておかしいわよ・・・・」

「どのように話そうと今の貴方に納得して貰うのは無理なのよ。でも、これが上手く行けば貴方は間違えなくこの方たちに感謝するわ。お父様の事はどうなるか分らないけれど、それだけは確かよ」

意味有り気な言葉にエリナ嬢の頭は更に混乱した様だった。

「もぅ、私には分からないわ・・・・」

そうエリナ嬢が言葉を漏らした時、建物の中から様子を伺っていたのか間合いを見ていたかのような絶妙なタイミングでハビネス夫妻が声を掛けて来た。

「まぁ、まぁ、まぁ、可愛いお嬢様だ事。良くいらして下さったわね。この辺りは道が悪いからお尻が痛くなったのではありませんか?」

「いえ、それは大丈夫でしたが・・・・」

「さぁさぁ、どうぞ中へ。ご案内しましょうね」

そう告げるとハビネス夫人はニッコリ微笑んで荷物を夫に渡すとエリナ嬢を中へ連れて行ってしまった。
呆気に取られたのは男爵夫人の方だった。

「見事ですわね。良い方たちの様で安心しました。娘を宜しくお願い致します」

そう告げると夫人は馬車の中から深々と頭を下げた。

「では、行ってくる。後は任せたぞ。宜しく頼む」

ゼロはフリードルにそう告げると肩をポンと叩いた。

「はい。心得ております」

そして、最後にローレライに声を掛けた。
ローレライの今にも泣き出しそうな表情に一瞬、心が揺らいだ。

「行って来る。心配は要らない。何も映らないと言う事は、直ぐに危険は無いと言う事だ」

「そうね。そうだと良いわ。お願いだから、どうか気をつけて・・・・」

そう告げるとポロリと頬を涙が伝った。
その頬を両手て挟み、指でそっと涙を拭うと額に優しく唇を落した。
ローレライから直ぐに離れるとゼロは愛馬イクタシオに跨り騎乗の人となる。

「いくぞ!!」

ゼロの掛け声に、一斉に声が上がる。
ローレライはゼロ達の姿が遠く見えなくなるまでその姿を見送った。

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