パウリンの娘

パウリンの娘《第24章2》

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ゼロ達を見送り、遠く姿が見えなくなってもローレライはその場を離れようとはしなかった。
その姿を遠目で追いながらフリードルは声を掛ける事が出来ずにいた。
今まで幾多も遠征先に赴く家族との別れの場面に遭遇する事はあったが、自分が見送る側に立つのは稀な事で、どう話しかけたら良いのか迷っていた。

“どうも、こう言う事は苦手だな”

やはり、自分は見送られる方が良いとしみじみ思い、苦笑いした。

そんな事を思っているとサンドラがローレライに近付き、そっと肩に手を置いた。

「中へ入りましょ。ああ見えてうちの兄は頼りになるのよ。心配いらないわ」

「・・・・そうね」

ローレライは軽く微笑んだ。

「ローレライが焼いたスコーンがあったでしょ。あれで少しゆっくりお茶でもしましょ。夕飯の支度にはまだ早いわ」

ローレライはサンドラの誘いにホッとした様子だった。
きっと自分でもどうしていいのか分らなかったのだろう。

サンドラに促されて、仲良く食堂に向かうローレライの姿を見送ったフリードルはサンドラ嬢に心の中で謝罪した。
シドからルシオンへの計画話が持ち出された時、シドさえサンドラ嬢をここに呼ばなければこう言う事にはならなかったと心の隅で思ってしまったのだ。
ローレライはサンドラ嬢に任せておけば大丈夫だろう。
問題はルシオンの方だ。
今日はまだ一度も顔を見ていない。大丈夫なのだろうか?
後で落ち着いたら部屋を覗いてみようとフリードルは思った。


ローレライも夕食の支度までの時間を一人で過ごすのは辛いと思っていたのでサンドラの誘いは正直かなり嬉しかった。
ここでは今迄のように何かあるからと言って兄の部屋へ訪ねて行くような真似は出来ない。男女の部屋は完全に分かれている。
食堂を挟んで東側の厩舎に近い方は昔農夫が使っていた部屋で今男性陣が使っている。
部屋は廊下を挟んで南側が個室で北側が二人部屋となっている。
向かって西側が女性陣とハビネス夫妻の部屋。
以前管理棟として使われていた場所で、支部となる前から母屋として夫妻が使っていた場所だ。
その一室をローレライはサンドラと一緒に借りている。
中央には一様カーテンが取り付けられてあるので、一人で過ごしたい時はそれを閉めればある程度プライバシーは守れるようにはなってある。
そこへ今日から新しくエリナ嬢が一緒に入る事になる。
昨夜サンドラと二人で部屋を模様替えし、カーテンも仕切り直して3人用のスペースを作れるように確保した。
今エリナ嬢はハビネス夫人に支部内を案内されているが、気に入って貰えるだろうか?

エリナ嬢を見て一番最初に感じた印象は、ここに蟠りを抱えてしまったまま来てしまったと言う事。
性格は思った事を直ぐに口にする面はサンドラと似た所もあるように思えるが、もっと強固な意志を感じた。
夫人にお友達になりたいと自分から言ってしまったが、実際上手くやっていけるのか、その事もローレライは少し心配だった。

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~ Comment ~

NoTitle 

頬へのキスにv-10
少しはそれが普通になってるのかなぁ~(^m^)
お兄様は大打撃だね(笑)
でもオトコノコなんだから復活しないと株おとすよぉ^^;

いよいよ大詰めに突入って感じでしょうか?
また楽しみに来ますね~^^/
でも離れ離れだかららぶらぶはないね…(T-T)
あ、是非お兄様のほうで!(笑)

はのん様 

婚約したし、結構普通になって来てます^^
でも、今回の人前での初公開は他の者への牽制の意味もあったりします。
俺の女に手を出すな的な!?(ゼロ相手に誰も怖くて出せないって(笑))

ストーリィは、大詰めに向かってまっしぐら状態です^^
期待されてるラブラブ系は暫く無いなぁ^^;
兄は、復活後、色々な意味で活躍してくれちゃいますが、ある意味不毛です。
えっ!? 意味通じない? いいんです^^ お楽しみに♪
いつも、有り難うございます^^
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