パウリンの娘

パウリンの娘《第24章8》

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サンドラと紅茶を飲みながら食堂で寛いでいると、ハビネス夫人の声が聞こえて来た。

「そして、こちらが食堂になります。貴族のお屋敷の様なお抱えの料理長はおりません。食事は私と、今ちらに座っていらっしゃるお嬢様方に手伝って頂いております」

「貴方たちが!? ・・・・この人たち召使じゃないわよね・・・・」

どちらが母の言っていた伯爵家のお嬢様なのだろうか?
伯爵家のお嬢様に粗相があってはいけないと、エリナはまじまじと二人を見つめた。

「勿論です。ローレライ様、サンドラ様、こちらがグローバル男爵家のご息女のエリナ様です」

「宜しくね。私はサンドラ・ドナヒュー。兄のシザーレが留守の間、こちらの手伝いをさせて頂いているわ」

「私はローレライ・オーロラ・アシュドと申します。兄も一緒なのですが、今少し臥せっておりまして・・・・元気になりましたらご挨拶させて頂きます」

淡い白金の髪に透明感のある新緑の瞳はとても清々しく思えた。
夫人が様と呼ぶからにはもぅ一人も一様貴族の子女なのだろうが、ドナヒューと言うのはあまり聞かない名だった。

「エリナ・グローバルです。不本意ながら、お世話になります」

エリナ嬢はあくまで形式的なものだから仕方がないと言わんばかりの無表情で、一様頭を下げた。

あからさまにここに来た事を不本意と言われてしまえば何と言っていいのか分らない。
ローレライが何も言えずにいるのに対し、サンドラはニコニコと満面な笑を浮かべて話し始めた。

「世話になる事が不本意ならあまり世話をかけないように色々手伝ってもらいましょうよ。ちょうど良いわ。こっちに来て」

「えっ!?」

エリナ嬢は呆気に取られた。

「ほら、早く!」

「ええ」

サンドラに言われるままに、エリナ嬢は後を付いて行く。
ローレライも慌てて後を追いかけた。

「ここが私たちの部屋よ。迷惑をかけたくないなら相部屋でも全然平気よね。それからこれに着替えて。そんなドレスでは何も出来ないわ」

サンドラは自らの動きやすい洋服をエリナ嬢に手渡すと食堂で待っているからとさっさと出て行ってしまった。
あまりの突拍子の無い行動にローレライもついて行けない。

「あの・・・・、無理はしなくても良いのよ。サンドラはお兄様から頼まれてこちらにお手伝いに来たようだけれど、私は好きで勝手に手伝っているだけですし、元々エリナ様はお客様としてお迎えするようにゼロ・・・・いえ、アイスラントからも聞いておりますから」

そう言われ、エリナ嬢は暫く無言で考え込んだ後、荷物の運ばれている自分のスペースのカーテンをスーッと引いた。

「いえ。大丈夫です。自分で言った事ですもの。出来るだけお手を煩わせるような事は致しません。私もお手伝いさせて頂きます。着替えたら直ぐに食堂に参りますのでローレライ様は食堂にお戻り下さい」

「あの・・・・同い年なのですし、様は止して」

「いえ、仮にも伯爵家のお嬢様を呼び捨てになど私には出来ません。私の事はエリナとお呼び頂いて結構ですが、私がお嬢様を呼び捨てに等は出来ません!!」

「・・・・そう!?」

しっかりとした自己主張にローレライは何も言えなかった。
エリナ嬢には確固たるポリシーのような物があるらしい。
決して悪い人ではない様だが、サンドラとは性格的にこれで合うのだろうかと一抹の不安を覚えたローレライだった。

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~ Comment ~

NoTitle 

らぶらぶはないけど、これはこれでどっちも面白いです♪
でもやっぱゼロくんには早く物事を片付けて欲しいけど^^

ローレライは気の強い子二人に挟まれて
大変そうな感じかな…?(笑)
いいけど、お兄様しっかりしろよ…^^;
これだから長男のぼんぼんはダメね…(笑)
その点ゼロくんは強烈なお姉様がいるから
大人だわぁv-238

はのん様 

らぶらぶは無くても面白いって言って貰えるととっても嬉しいです^^
片方が硬いからこっちは少しいき抜いて書けます。
進行上どうしても同時進行でないと進めなくなってこう言う形にしてみましたが、結構大変だった(苦笑)
何か書いてたら王宮の方が思ったより長引いてる・・・・^^;
これでも早く決着に向けてるつもりなんだけど(苦笑)

エリナ嬢はホントはもっと気の強い娘にする予定だったの。それも大変な事件起こすような。
でも、それ入れるとまた大事になりそうなので、カットするかな。短く出来そうな案思いついたら入れるけど。
王宮側を詰めて進めてるので、書きたい出来事との時間の噛合いがが難しい^^;
同時進行って楽しいけど、ちょっと大変(笑)

ローレライも最初はちょっと大変かな。
兄は・・・・まぁ見てて♪
ゼロや周りの騎士連中が大人な分、兄の行動目立つよね(笑)
いつも、有り難うございます^^
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