パウリンの娘

パウリンの娘《第25章9》

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夕食後、もぅだいたい覚えたと言うルシオンの言葉に促され、フリードルはとりあえず基礎体力を確認する事にした。
以前ある貴族に簡単に手ほどきをと頼まれ少し剣を持たせたことがあったが、真面に両手で支えられもしなかった。
貴族の殆どは乗馬をたしなむ為、多少の筋力はある筈と思って受けた話だったが、殆どの者は年に数回程度馬に乗る程度で需要は低いらしく殆ど乗馬での成果は望めないと言う事が良く分かった。
その点ルシオンは遊びと称して子供の頃から馬と慣れ親しんでいる。
少しは他の者よりは真面だろうとは思ってはいたが蓋を開ければ想像以上だった。
思ったよりも乗馬で培われる腕の筋力、太ももとふくらはぎ、背筋、腹筋はしっかりしていた。
筋肉の付き方は騎士の持つそれとは異なる為、勿論それだけでは剣を握る為にはまだまだ足りないが別メニューとして補助的な方法を教えれば、今のルシオンならばさぼる事無くきっとやり遂げるだろう。
本格的に教えるには数か月の鍛錬後になるだろうが、とりあえず体力作りの基本動作と、剣の持ち方や受け方と流し方だけは教える事にした。

「最初は大丈夫と思ってたけど、暫く持ってると腕の外側が張って来て、ガクガクしてくる・・・・」

「乗馬とはまた使う筋肉が違うからな。でも、想像よりははるかにマシだ。とりあえず、さっき教えた基礎訓練は朝晩欠かさずしろよ。剣の受け流しはまた時間を見て教えてやるから」

「うん。分かった。恩にきる」

ルシオンは少し息が上がりながらもにっこり微笑んだ。
額からは汗が流れ落ちている。
フリードルは汗ひとつ所か全く息も上がっておらず、お前やっぱり凄いなぁとルシオンに感心されると思わず苦笑いするしかなかった。


その時だった。
バタバタと慌ただしく駆けて来る足音が聞こえた。

「エル様!! 伝令の者がこちらに!!」

「直ぐ行く!!」

ルシオンに済まないと詫びを入れるとフリードルは急ぎその場を後にした。


「エル様、ご無沙汰いたしております」

ランドンから知らせを受けて伝令に走ったナニヤードは民兵隊出身の元隊長で、以前フリードルの隊に参加した事がきっかけで武勲をあげ、末端ながら騎士の称号を賜った者だった。
配下の者ではないが、フリードルのお蔭で城勤めをその後許されフリードルには並々ならぬ恩を感じている者だった。

「挨拶は良い。で、戦況は!?」

「いえ、まだですが、今夜恐らく夜襲があると踏んでいるようです。外苑で待機せよとの伝言にございます」

「分かった。直ぐに向かう!! ミゲル!! 皆を集めて準備をさせろ!! 調い次第出立する!!」

「はっ、直ちに!!」

現在側近として動いてくれているミゲルに後の準備を任せると、フリードルは留守を任せるべくハビネス夫妻の住む管理棟に向かった。

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NoTitle 

お久しぶりです。スミマセン…
ウチの方で完結あったりでばたばたしてました^^;

王宮に動きが…^^
そしてゼロくん自覚!
ちゃんと自覚してからじゃないとダメだもんね^^b
いよいよお話佳境に入ってきたかな?

また楽しみにしてきますね~~^^/

はのん様 

いえいえ。いつも有り難うございます^^
ラストは大切ですものね。(私も最後はまた追いついたら練り直しすると思います)
お疲れ様でした。

はい。もぅ、バリバリ王宮突入してます^^
やはり、人から言われたからだけではなく、自覚は必要ですものね♪
予定ではこんなに長くなるつもりは無かったのに~っ(笑)(気付いたら200話目前!!(苦笑))
って言うか、4月には新作書いてる筈だった^^;

でも、もち既に佳境です。
はい、またお待ちしてます^^/
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