パウリンの娘

パウリンの娘《第25章13》

 ←パウリンの娘《第25章12》 →パウリンの娘《第26章1》
ゼロ様に何と言われようとも、我々は国の為に絶対に未来を切り開くアイスラント・ゼロード・フォン・オードラルと言う人物を失う訳には行かないのだ!

「俺からも頼む。レライを連れて行ってあげて。今がレライにとってもゼロにとっても正念場だと思うんだ」

「・・・・分かった。仕度しろ。全ての責任は私が取る。絶対に、何があっても私の傍を離れるな!!」

「有難う、フリードル」

ローレライはニッコリ微笑みフリードルに抱きつくと、急ぎ部屋へ戻って行った。

「すっかりいつものレライだな。良かった。良かった」

普段のローレライの行動は、今となってはある意味フリードルにとって一番怖い。
主は心の広い方ではあるが、事ローレライ絡みになると人が変わる。
ニコニコ笑顔のルシオンに、悪気はない事も分かっているが、フリードルはこの場に主が居なかった事に心の底からホッとした。


部屋に戻ったローレライをサンドラとエリナは呆然と見つめた。
何処か声を掛ける事を許さない気迫の様なものが感じられた。
普段のおっとりした姿は何処にも無く何時になく機敏に何やら身仕度をする姿に呆気に取られた。

「・・・・もぅ、胸やけは大丈夫なの!?」

「ええ!」

「何処かに出かけるの!? こんな遅くに何処へ?」

「御免なさい。それは、話せないの!」

ローレライはキッパリと何時もと違う張りのある声でそう告げた。
サッとカーテンを引くと、トランゼまでの道のりで使用していた男物の服に着替え、腰には剣も身につけた。
髪も一つに束ね、鏡で自分の身なりを見て“よし!!”と頷くとスーッとカーテンを開いた。
その姿にはサンドラもエリナも呆気に取られている様だった。

「サンドラ、貴方には感謝しているわ。エリナ、来たばかりの貴方に色々任せてしまう事になって御免なさい。サンドラは思った事を直ぐ口にしちゃうけど、とても思いやりのある心の優しい人よ。次会った時に二人がどれだけ仲良くなっているか楽しみにしているわ」

ローレライはニッコリ微笑みそう告げた。
サンドラとエリナは互いに顔を見合わせ苦笑いしている。

「まぁ、プライドはあるようだけれど、郷に入る事を知っているお嬢様の様だから何とかやれると思うわ」

「私は自分の言った事に責任を持ちたいだけよ!」

少しツンとした様に悪びれてエリナが言葉を放ったが、それを見るなりローレライは顔をほころばせた。

「二人とも大好きよ!」

サンドラとエリナに手を伸ばすとギュッと抱きついた。

「サンドラ、お兄様の事宜しくね」

そう告げるとローレライは見送りはいらないからとスタスタと歩き出し、部屋を後にした。


「お待たせしました」

そう告げ、フリードルの馬に一緒に乗り込む。
皆のペースを乱したくないからと一緒に騎乗する事を申し出たのはローレライ自身だった。
フリードルも連れて行くならば単独で走らせ遅れを取らせる訳にはいかないと思っていたが、正直な所、今後の主の反応を思うとそれは萎縮せざるを得ない。

まだ風の冷たい満月の夜、エルは護衛として数名の者を支部に残し、第二陣として出立した。

良かったらポチッとお願い致します^^

にほんブログ村


総もくじ  3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ  3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ&感謝
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【パウリンの娘《第25章12》】へ
  • 【パウリンの娘《第26章1》】へ

~ Comment ~

NoTitle 

いよいよ活劇シーンですね(^^)

なんだかんだで読むのが遅れてしまっていることをご容赦ください(汗)

ポール・ブリッツ様 

はい。第2陣は直ぐには動けませんがこの先色々と出て来ます。
これが無いと結局は治まらないので^^;

いえいえ、こちらこそ。いつも有り難うございます。
私もスローペースで申し訳ないです^^;
いつも有り難うございます。
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【パウリンの娘《第25章12》】へ
  • 【パウリンの娘《第26章1》】へ