パウリンの娘

パウリンの娘《第26章1》

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静寂に包まれた深夜、何時になく夜空に浮かぶ満月が神秘的に見えた。
不思議な現象が目の前で繰り広げられる。
少しずつ月が欠けて行く現象は、伝説では“悪しき者が舞い降りる”とされている。
伝説など取るに足らぬ戯言だ。この月に既に二度も助けられている。

「今夜の月は私にとっては幸運以外の何者でもないな」

アイスラントは窓から見える月を眺めてポツリと呟いた。

伝説の現象が起こり始め半月になろうとした時だった。
部屋の扉が何者かにこっそり開けられた。
数名の微かな足音が聞こえたと思うとトラップに引っかかったのか“ヴァッ!!”と言う叫び声が聞こえた。
既に気配を感じ、ベッドすら抜け出し扉の裏に隠れていたアイスラントは倒れかけた者の足を更に引っ掛け倒かけた所ですぐさま剣を奪った。
刺客は三名。倒れた者の脇腹を蹴り上げ気絶させると、背後に剣を切り付けた。
残るもぅ1名の方にも火かき棒で瞬時に喉元を突いた。

「剣を捨てろ!!」

刺客の2人は言われた通りに剣をその場に床に落とした。

「刺客が3人だけとは、私も随分舐められたようだな!」

剣の柄で背骨を一撃し、それと同時に喉元を突いていた者の腹を蹴り上げた。
痛さの余り崩れ落ちる者達を、カーテンを裂いて作った縄もどきで締め上げると寝室に放り込んだ。
腰に奪い取った剣一本挿すと、残る二本を持って部屋を出た。
向かいの部屋の前ではハビロードが応戦していた。
2対1の攻防を目にし、1人をあっという間に片づけるとアイスラントは持っていた剣を1本ハビロードに投げやった。
剣を手にすると瞬時に形勢は逆転し、ハビロードは難なくその者を片づけた。

「有難うございます」

ハビロードはアイスラントに深々と頭を下げた。

「礼には及ばん。お前は引き続き夫人を守れ。私は奴らを見て来る」

そう告げるとアイスラントは先を急いだ。
行く先を遮る者達は剣を交える先から深手を負わせる事無くなぎ倒し、次々と剣を奪ってどんどん先へ進んでいく。
正しく神業的な剣さばきに、戦意を喪失して後ずさる者も出て来た。

仲間の部屋の前まで辿り着くとシドとブレインは既に剣を手にしていた。
シドが相手にしていたのはいつもベイズの傍に居た見知った者だ。
奴がここに来ているのは間違いなかった。

「ここは私達で防ぐ! ベイズは!?」

「いや、まだ会っていない」

「まさかサビエルの所か!? 奴を頼む!!」

「任せろ!!」

アイスラントは向かって来る者を瞬く間に片づけると、真っ先に扉が開かれたままのサビエルの部屋へ突き進んだ。
そこには、剣を手にすることが出来ず、隠し持っていた短剣で防戦一方のサビエルの姿。肩から血が滴れながらもをベイズ相手に決死で挑んでいる。
アイスラントは手にしていた剣を、槍を放つが如く持ち変え振り掲げると二人の間に投げ入れた!

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