パウリンの娘

パウリンの娘《第26章5》

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何と言う落ち着き払ったこの態度。格が違う!!
ベイズはこのままでは何をしようと無駄なのではないかと一瞬尻込みをしそうになった。
だが、そう言う訳には行かないのだ。
剣で勝てないならば策で勝つ! 自分には、それしか道は残されて居ないのだから。

「騎士崩れのお前如きに剣で負けるつもりは更々ない!!」

強がりのハッタリが何処まで続くが問題だ。

「ほぅ~。大した自信だな」

アイスラントはベイズの発言にニコニコ笑顔で拍手した。
その人を小馬鹿にした態度は、ベイズを更なる怒りへと駆り立てる。

「おっ、お前!! 馬鹿にしやがって!! 剣を抜け!!」

この状況下で争う気等無かったのに、言葉を口にすればペースはどんどんアイスラントに飲み込まれていった。

「やっと対等に戦う気になったのか!? これは驚いた。とりあえず幾らかの騎士道は持ち合わせていると見える」

余裕の眼差しに無意識に一歩二歩と後退りした時だった。

「では、お手並み拝見と行こうか」

アイスラントは剣を抜くとニッコリ微笑みそう告げた。


アイスラントとベイズは王宮主催の武闘大会で過去、何度か剣を交えた事がある。
結果はアイスラントの4勝1敗。
ベイズが勝ったのはアイスラントが見習い時代に参加した時の1勝だけで、正式に騎士の称号を賜ってからは惨敗だった。

“このままでは確実にやられる!!”

ここで乗せられるのは非常に不味かった。
何か策を嵩じなければ自分には勝ち目など無い。
額から冷や汗を流しながらもベイズは必死に考え、そして、苦し紛れに無様ともいえる策を思いつく。
冷静な判断すら既につかないベイズは、気付いた時には既に言葉を口にしていた。

「まっ、待て!! 正式な形を取ろう」

「ほぅ!?」

ベイズは僅かな可能性に賭けて、自分を勝利に導く為に、ある手段を取る事を決めたのだった。


「正式な介添人を立てて2分毎に1分間の休憩をとるやり方でだなぁ」

ベイズは必死にこれからやろうとしている事の説明を始めたのだが、前振りも無く、行き成り説明された内容に対してアイスラントは怪訝な表情を浮かべた。

「お前、私を馬鹿にしているのか!?」

アイスラントの眼光が怒りに満ちて一瞬鋭くなった。

ベイズは焦れば焦る程墓穴を掘る事となり、更なる負の連鎖に飲み込まれていった。

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