パウリンの娘

パウリンの娘《第6章2》

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フリードルは配下の者を一人連れて宿へ急いで戻っていた。
今回の件で主が何らかの反応を示すであろう事は予測していたが、まさか先日自分がアシュド伯から頼まれて書状を手渡した側近のシドが自ら来るとは思ってもいなかった。
シドは常に自分たちの主の傍で付かず離れずの位置を保ちながら主を守り行動している。
それ程主に近い存在のシドが来ていると言うのはどう言う事なのか!?
本来考えられない事だった。

「シド、貴方が何故このような所に・・・・?」

シドが苦虫にでも撮まれた表情でこちらを見つめる。

「実は・・・・ゼロも一緒なんだ」

「ゼロ様も!?」

シドが来た理由は納得したが、まさか主自ら出て来るとは思っていなかった。

「今どちらに!?」

慌てた様子でフリードルが問う。

「馬屋に・・・・仔馬の父馬に会いに行っている」

ジュリアスに!?
フリードルは馬屋に走った。

「ゼロ様!」

そこには何時も見られない柔らかな眼差しでジュリアスを撫ぜる主ゼロの姿があった。

「久しぶりだなエル。イシュラルからの書状と一緒に休暇願が添えられていたお前と、まさかこんな形で再会する事になるとは夢にも思わなかったぞ」

「私もです」

撫ぜられ気持ちよさそうに主に擦り寄っているジュリアスの姿は、自分が世話した時には向けられるものではなかった。

「あの・・・・ジュリアスを知っておられるのですか? 」

「知っている」

フリードルは“やはり!?”と思った。

「この馬は私の幼馴染が10歳の誕生祝いに占い師のザビーネなる人物から譲り受けたと昨夜聞きました」

「そうだ。7年前、母の跡を継ぐ者にと、こいつを手放す事になった。こいつは私のイクタシオと同じ母の愛馬の子だ。私が名を付け生まれて半年間、世話して育てた」

「そうでしたか・・・・そんな経緯が・・・・」

ゼロの愛馬イクタシオは黒毛だがジュリアスと同じ額に三日月の白斑の風貌を持つ。

「本来、私が出向く事で無いのは分かっている。しかし、手伝わせてはくれないか? 盗まれた仔馬がこのジュリアスの息子なら、私にとっても大切なのだ」

普段から口数の少ない主のその喋りはフリードルを納得させるに十分だった。
ジュリアスに対する想いの深さが感じられた。

「分かりました。お願い致します。しかし、私の連れの者達にはどのように? 名前は字名のままで良いと致しましても素性は明かせませんし・・・・」

「その者は母が先王の姉だと言う事は知らないのか?」

「はい。ザビーネ様は占い師としか話しておられなかった様ですので」

「では、甥と言う事にしておけ。この姿だ。血縁者にしておかなくては後々不味いだろう」

フッと笑いながら言う。

「はい。承知致しました」

フリードルはそう告げるとシドと話を詰めますので失礼いたしますと馬屋を後にした。

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~ Comment ~

NoTitle 

きゃうっv-238
彼?(*^m^*)
最初からお馬さん通じて繋がりはあったのね!
続き楽しみ~~~♪

HANON.H様 

さぁ、どうでしょう!?
今の段階で私の口からは言えませ~ん♪(笑)
そうなの最初から繋がりはあったの^^
でも、今日の喋る彼はいつもの彼じゃないから、まだ騙されてはいけませんよ(笑)

NoTitle 

この場合の占いはやはり占星術を差すんでしょうね。
ナイル川の氾濫を星を見ることで予言したように、
やはり星の動きで特定の事象が発生する場合はありますからね。
しかし、今回の場合のように国家間や人の問題の場合は別の占いが該当するんですかね。・・・とあまり深く考えても仕方ないですね。

LandM 様 

この場合の占いは表向きには占星術に似たようなものの扱いです。
既にそこまで気付かれているのは流石です^^

パウリンの後継者の力は実は一種の超能力的なものです。
そうでなければ符合しない事も出て来ると思います^^;
設定段階では、その力や色々な意味合いを込めて導き出す手段、またパワーストーン的存在の一つとしてパウリンと言う物を使う事にしました。(この段階ではローレライはまだ覚醒していません)

パウリンの能力については何処かである程度は書いた記憶がありますので、その内出て来ると思いますので、詳しくはそれを参照下さい。

いつも、有り難うございます^^
最近忙しく中々伺えませんが、また時間が出来れば私も伺わせて頂きますね。
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