パウリンの娘

パウリンの娘《第26章14》

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今回文書を送った者は4名。
何れも重鎮の中では良識を持った者と思われる者達だった。
しかし、だからと言って直ぐにこちらの手の内を見せる訳にも行かず、フリードルは急遽密文書として認めた。
緊急議会において、こちらに御味方頂く為に。

「思う所は我らと同じです。きっと分り合えると信じお話し致します。現在王位継承権から行けばアイスラント様は3番目のお方です。その方を我らが第一に押すのには理由がございます。実は我らも当初はアイスラント様の御判断で前王弟殿下であられるザンゾール公爵を推挙させて頂くつもりでおりました。結局の所、接触し断られたのですが、状況を掴んでみれば納得致しました。これは私個人としての意見ですが王の器としてはいささか不適格と思えました」

「あの聡明なザンゾール公が不適格だと? お主の目は節穴か!? 何を根拠にッ!」

「まぁ待て、もう少し聞こう。話はまだ終わっておらん」

ラストール男爵が熱くなってい行くミシガン伯爵を収めてくれた。
確かに自分の様な若造からこの様な口を利かれては声を荒げたくもなるだろう。
ミシガン伯は中々の熱い者のようだった。

フリードルは男爵に軽く会釈をすると、話を続けた。

「継承権第2位であられます御子息であるライサンド殿においては、既に耳を塞ぎたくなる様なお噂を幾つか御存じの事と思います。ですが、あくまで噂は噂。その件についても我らは調べ上げる為、実際にバラサインまで赴きました。内密に調べ上げ証拠を掴む為にアイスラント様と共に仲間数名と公爵家に数日滞在しましたが、実状は表立った噂などよりかなり酷いものでした。凌辱し死に至らしめた者も一人二人ではございません。その上、我らの滞在中にもある令嬢に対し未遂事件を起こしております。現場を取り押さえられ、現在公爵の指示に従い屋敷の地下牢にて拘束中です。他にも父たる公爵をも陥れる計画を企み、既に公爵からも離縁と領地追放を言い渡されておられます。また現在罪状については王に審議して頂く旨、書類を送検中です。その上、別件では王の好意を得る為に、王家の血統馬窃盗事件にも関与しておりました。御存じですか? 王は諸外国へ利息代わりにと血統ある仔馬を引き渡す計画もお有りであると言う事を」

「なっ!!」

ミシガン伯爵は一瞬声を荒げ立ちかけたが、これまた男爵に制され腰を下ろした。

「公爵はお優し過ぎるのです。一度ご子息のあまりの振る舞いに屋敷を負い出した事もおありの様ですが、結局は戻る事を許された結果が更なる所行の数々。御子息ですら行し得ないお方に、現状況下の国政を正し、復興させることは不可能だとは思われませんか?」

フリードルがそう告げた途端、ラストール男爵が拍手した。

「いやぁ、お見事。伯爵、これはどう見ても他の人材は考えられないのではありませんか? 私事で恐縮なのですが、アイスラント殿は我が息子も敬愛しておりましてね。2年前に王宮を去られた理由を聞いたのですが、唯一つ、己が額づける王に値しないからだとハッキリ言ったそうですよ。歴代最年少の騎士副団長時代における実績は言うに及ばず、彼を慕って多くの王宮騎士が除隊した事は記憶に新しいではありませんか。人望もあり、己を戒める事も御存じだ。立派な人物だと私は思っておりますがね」

「男爵はもしかして、御存じだったのですか?」

「何をだ?」

「・・・・いえ。こちらの話です。私は今もルイスの事を良き友と思っております」

「それは有難い。これからも仲良くしてやってくれ」

「はい」

男爵はおそらく知っている。我が息子も既にこちら側の人間であると言う事を。

この後フリードルはミシガン伯、ラストール男爵と堅い握手を交わし別れた。
現王政における二人の重鎮の獲得は、これから開かれる議会においてとても重要なものだった。

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