「パウリンの娘」
パウリンの娘 《番外編》

幼き日に1 ~パウリンの娘番外編~

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イシュラルの領主アシュド伯夫人マリーネは実家のあるマイヤーリッツへと二人の子供を連れて避暑へと向かっていた。
長男のルシオンは9歳で、長女のローレライは3歳。
二人ともとても活発な子供達だった。

「わぁ、お母しゃま見て見て、あんなにきれーなお花がいっぱい!」

「ローレライ危ないわ。またそんなに身を乗り出しては!」

「母様! あの湖、前に白鳥がいた所だよね。後で遠乗りに行ってもみても良いよね?」

「一人では駄目よ。直ぐに勝手に居なくなるのだから」

「はくしょーいるの!?」

「多分な」

「レライもいくのーっ!!」

兄のする所、話す事、全てにおいて興味を示す元気な妹。
そう言う年頃なのかもしれないが、予想を超えたパワフルな子供たちに馬車に乗っているだけの優雅なはずの旅は母にとって困難極まりないものだった。

「はいはい、もぅ分かったから危ないからとにかく二人とも座って頂戴。もぅ直ぐおじい様のお宅に着くから。そしたらとても素敵な事が待っているわよ」

「しゅてきな事?」
「素敵な事!?」

「ええ」

二人の子供たちは声を揃えてキラキラ瞳を輝かせた。

ローレライの母の実家が見えて来た。
外には執事が様子を伺いに出ていたらしく、近づく馬車の姿を確認すると一旦屋敷の中へ入ったかと思えば初老の夫人と母と同じ年頃の夫人、そしてローレライが初めて見る少年が出て来た。

「お~い!!」
「お~い!!」

兄が叫べば妹も真似をする。
馬車の窓から身を乗り出し手を振る子供達。

「もぅ、危ないから座りなさい!!」

馬車の中で落ち着かない子供たちを諫めつつ、窓から落ちそうになる幼い娘の腰を掴みながら声を張り上げ過ぎて母は既に喉がガサガサだった。

やっと実家に到着し、母マリーネはホッと一息ついた。
そんな娘の姿に苦笑いしながらも、とても嬉しそうに直ぐに満面の笑顔で出迎える母。

「まぁ、まぁ良く来てくれたわね。二人ともこんなに大きくなって。ローレライはお婆ちゃまの事覚えてる!?」

前回訪れたのは去年の同じ時期。ローレライは2歳だった。

「おぼえてりゅー。なかよしなの」

ローレライはニッコリ微笑むとお婆様に抱きつき、頬を寄せた。

「まぁまぁえらいのね。本当に可愛い事」

抱きしめて頬を合わせてギュッとする。
これは去年お婆様がローレライに教えた仲良しの印のギュッ。
実は、母であるマリーネが、ローレライが忘れないように日々同じような抱擁を繰り返していたのだ。

母と娘の抱擁に柔らかな微笑みを浮かべ、視線の先を変えると懐かしい幼馴染の従妹の笑顔が飛び込んできた。

「まぁ、フェローラ!! 元気だった?」

「ええ、貴方も元気そうねマリーネ」

満面の笑みを浮かべて抱き合うのはローレライ達の母マリーネの従妹。その横には、精鍛な顔つきの落ち着きのある少年が立って居た。

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