「パウリンの娘」
パウリンの娘 《番外編》

幼き日に4 ~パウリンの娘番外編~

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だが、その願いは虚しく打ち砕かれ、次に母から告げられた言葉は己の利己主義に走ったものだった。

「でもね。これって良い機会じゃない。もしローレライがフリードルと結婚してくれたら私も気兼ねなくフェローラに会いに行ける訳じゃない。こんな嬉しい事はないわ」

「そうよね!!」

「でね、ものは相談なのだけどぉ」

何やら二人でこそこそ話を始めた。

“やめてくれ~!! せめてここに居る当事者の話を聞いてくれ!!”

フリードルの心とは裏腹に傍に居るローレライはニコニコ笑顔だ。

「レライ、ねこしゃんのおよめしゃんになるの」

「いや、えっとね。それは大きくなってから決めようね」

ローレライには罪は無い。
苦笑いしながらも、フリードルは優しくそう告げた。
正確に言うとそう告げるのが精一杯だった。

「まぁ、大きくなったら決めてもいいの!?」

勝手に大人二人で盛り上がっていると思えば、こちらの話もちゃっかり聞いていたらしく、振り向いた母フェローラは満面の笑みだった。
このまま放置しておけば更に人の意見も聞かずに二人とも暴走しそうな勢いだったので、遂に息子は物申した。

「申し訳ございませんが、私にも結婚に関しては描くものがございます」

「「描くもの!?」」
声を揃えて復唱する大人達。

「成人し、王宮の舞踏会で運命の相手を見つけるのです」

「あら、それは難しいと思うわ」

「えっ!? だって、父上と母上は・・・・」

「そんなの偶然よ。普通は少ないのよ。多くはこう言う事は親が決めるものなのよ」

「そうなのですか?」

漠然と思い描いた事を否定されて少し途惑った。

「えっ!? でも、伯母上たちも自分たちで相手を見つけられたと仰っていませんでした?」

「たまたまよ。フェローラの結婚式の介添人が私で侯爵様の方がロイエルだったの。それで知り合って、私がフェローラの花嫁姿に感動して泣いてる姿が可愛くて一目ぼれしたとかでその後申し込まれたのよ。印象としては好印象だったし、断る理由も無かったし、この人と結婚したら結婚後もフェローラとは他所へ嫁ぐより交流も持てるかしらと思って結婚したのよ」

その言葉は両親のような結婚を漠然とだが理想と思っていた少年に対して衝撃的なものだった。

「・・・・では、伯母上が結婚したのは、母上と結婚後も交流が持てそうだからなのですか!?」

「実際そうなっているでしょ?」

伯母は悪びれる素振りもなくそう告げた。

「でもね。きっかけはそうでも、私は今とっても幸せだし、はっきりロイエルを愛しているって言えるわ」

ニッコリ微笑み、伯母はそう告げた。

貴族の結婚とはそう言うものなのか・・・・。
初めて貴族の結婚の実情をまじまじと聞かされ、少年は大人の世界は奥が深いものなのだと考えさせられた。

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