パウリンの娘

パウリンの娘《第28章5》

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城門の脇にある戸口から、フード付きの外套を身に纏いこそこそと出て来る者の姿を目にした。
手癖の悪い侍女が城の物でもこっそりくすねて持ち出しているのかと思い目を凝らしていると、門兵の横を通り過ぎ暫く歩いた所で行き成り踏ん反りがえった。
あまりにも予測できなかった行動に、見張りをしていた者は一瞬戸惑った。
エル様に報告すべきか否か・・・・。
フリードルは少しでも普段と変わった動きがあれば報告する様に言いつけてあった。

「変わったと言う訳でも無いのですが・・・・意外な行動をとられ、思わず目を奪われましまいましたので、一様報告をと言う話になりまして・・・・」

頭をかきかき申し訳なさ気にそう告げた。
上から言われて来ては見たものの、あまりの凡庸な内容に報告するのも戸惑われるがと言った様子だろうか。

「ご苦労だった。直ぐに行く」

フリードルはそう告げると壁に掛けてあった外套を身に纏い早々に古民家から表の通りへ向かった。

「あちらです」

告げられた方向には、確かに踏ん反り返った状態で何処構えて堂々と歩く侍女らしい衣服を身に纏った者の姿。
その容姿に何処か違和感を覚えた。
隣と後者に目を向けても、異様だとしか言いようがない。
仕える主もおらず横に居る従者とおぼしき人物も容姿がこれまたちぐはぐだ。その後ろを辺りを見渡しながら幾分背を屈めてこそこそと慎ましげに大荷物を懸命に抱えついて行くのは見知った侍女の姿だった。

「最悪だ・・・・」

フリードルは目の前の茶番に思わず目を覆いたくなった。

「・・・・お知り合い・・・・ですか?」

本来、城に居るべき人間が何故このような所に!?
おまけに今は議会の真っ最中の筈だ。
フリードルは項垂れると頭を抱え込んだ。これほどの脱力感はかつてない・・・・。

「どうされたのですか!?」

「何故このような時に、こう面倒をかけるのだ。あの者達は・・・・」

フリードルは大きくため息をついた。

「あの・・・・!?」

「皇太后た・・・・」

「はぁ!?」

「アレは皇太后と王だ」

「ええっ!?」

知らせに来た男は、マジマジとその姿を食い入るように凝視した。

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