パウリンの娘

パウリンの娘《第6章4》

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シドはフリードルの部屋に2人の黒衣の男を伴い計画を練っていた。

「市の方はこちらで探りを入れよう。恐らく何も出てこないと思うが、もしもと言う事もある」

「お願い致します」

「では一番怪しいのは門閥貴族になりますか?」

「血統馬を欲しがっている連中が一番多いのは確かだな」

「そちらは私達が。宮中で馬の飼料を扱っていた者を知っておりますので、そこから探りをかけてみます。他の屋敷の者とも交流があったようですから」

「頼む」

「ミゲルは血統馬を持つ屋敷の調査を頼む。他に額に三日月の白斑を持つ1歳未満の仔馬がいる屋敷を探してくれ。最悪の場合囮に使わせて貰う」

「承知致しました」

使命が決まると黒衣の男たちは各々部屋から去って行った。

店に居た3人の黒衣の男達。
後で呼び出された2人はシドが正騎士団の団長をしていた時の配下の者で、ミゲルと呼ばれていた男は先にフリードルと店から出て行った男でフリードルが近衛騎士隊の隊長をしていた時の配下の者だった。
我王に異議を唱え王宮から去って行った多くの中級以下の騎士たちは自分の信頼できる上級騎士の元に集まっていた。


ローレライはサビエルに護衛されながらルシオン、ランドンと共に宿の前まで帰って来た。

「私ジュリアスの様子見て来るわ。お兄様たちはお部屋で休んでいて。サビエル良いかしら?」

「お供致します」

そう告げるとローレライを伴い馬屋に向かった。
今日は早くに着いたし、ジュリアスの世話をしてあげようとローレライは意気揚々としていた。

ジュリアスに声を掛けようとしたその時、ローレライの目に黒い外套を引っ掛けた男の姿が映った。

「・・・・誰!?」

ローレライは少し目を細め、怪訝そうな面持ちでその男を見つめる。
知らない男だ!
どうしよう・・・・。
フリードルが言った事・・・・何だっけ? 仕草も気を付ける。
男のふり、男のふりよ、ローレライ!
心の中でそう唱え言葉を口にした。

「お前の馬か!?」

「そう。何してる!?」

「良い馬になった」

ジュリアスに触れている!

「ジュリアスから離れろ! サビエル!!」

そう叫びながらサビエルを見ると、その場で傅いて頭を垂れていた。

「サビエル!?」

振り向き、先程フリードルから馬屋を任された者を見ても同じように傅いて頭を垂れている。

“どうも様子がおかしい?”

少し冷静になりジュリアスを見ても、男に触られるのを嫌がるでもなく自ら親しげに擦り寄っている。
ジュリアスが自分以外の者にここまで懐いている姿をローレライは未だかつて目にした事が無かった。

「あなた・・・・誰!?」

もぅ心の中で唱え続けた言葉は忘れていた。
大きな瞳を見開きローレライは不思議そうに首を傾げる。
男は振り向くとフッと鼻で笑った。

「ゼロ。エルの友人」

"友人!?"

ローレライは向けられた漆黒の髪に薄紫の瞳の冷ややかで端正な男の姿に一瞬引き込まれそうになった。

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NoTitle 

わおv-238
出会った!…かな?^^
思わず顔がにやけたわ(笑)

HANON.H様 

ふふっ^^
出会った・・・・かな!?(笑)
やっとここまで公開出来たわ♪
でも、ここからが中々・・・・^^;
彼の性格はきっと7章以降でないと中々掴めないかも~(笑)
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