パウリンの娘

パウリンの娘《第28章7》

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城内に入ると直ぐに待ち受けていた者が王と皇太后を奪い去るように引き取った。

「お怪我はございませんでしたか!?」

「大事ない」

「離しなさい! 無礼者!!」

心配する近衛兵に対し皇太后はあくまで傲慢な態度を取り続けた。
これでは兵も報われない。

「お怪我が無くてなによりでございました」

深々と頭を下げる兵を見据え、頬を膨らませて怒りを露わにしたままサッサと城内へ入って行く皇太后。
王はその姿を見て、酷く疲れた様に大きな溜息を一つついた。
王は皇太后と違い、我がままではあるが何処か子供の様に純粋で優しい面も持ち合わせている。信頼を寄せている者に対してはかなり寛大だ。
それが度を越し、媚び諂う者と登用するに足る人材を見極める事が出来ず、振り回され自分の都合の良い者を登用し続けた結果、現政権が生まれてしまったのだ。
その傍らにはいつも母である皇太后が居て、玉座を支えていた事は言うまでもない。
王が続いて城内へ入って行く姿を確認すると次の瞬間、兵の矛先は連れて来た者へと向けられた。

「お前が唆したのだな!? この罪は重いぞ!!」

本当に我らが王と皇太后を手玉に取ったと思っているのか!?
だが、その瞳は真剣そのもので、頭からこちらの話など聞くつもりは無さそうだった。

「城門を眺めていたら、見知った御方があろうことか共も連れずに出て来られたものですから、これは大変とお連れ致したのですが、それの何処が不味かったのでしょうか!?」

フリードルは両手を掲げて戦意のない事を現し冷静かつ沈着に物事を進めようとしたが、やはり相手には聞こえていない様だった。耳を貸す気もないらしい。

「痴れ者が! 黙れ!! 」

喉元に賺さず横から剣を突き付けられた。

やれやれ。
フリードルは話が出来る状況では無い事を理解した。

終始うつむき加減で外套のフードを深く被っていたせいかフリードルの顔は相手には知られていなかった。
それが吉と出るか凶と出るか!
迷う事無く一歩後退すると、次の瞬間身に纏っていた外套を舞うように脱ぎ捨て相手の顔に覆いかぶせた。
その間にしっかりと剣を握りしめると相手の剣を瞬時に振り落とした。
見据えたフリードルの首筋からは少量の血が流れている。

「援護する! 矢を!!」

フリードルはそう叫ぶと、剣を手に身構え体制を整えた。
もぅ一人の者と下の者を援護しながら、迎え撃つ兵の剣を交る傍から振り落して行った。
その力の差は歴然で、とても一兵卒の兵などでは相手にならない。
あまりの強さに兵が一瞬怯んだ隙を狙って弓が大きく引かれると、次の瞬間天高く矢が放たれた。

フリードルに最初に剣を突き付けた男はその剣さばきを見て何か必死に思い出そうとしていた。
只のならず者では無い。この立ち振る舞いは騎士のそれに良く似て・・・・。
そぅ思った瞬間、男はある事を思い出した。

「貴方様は、もしかすると近衛騎士隊総隊長だった・・・・」

声を震わせ言葉を口にする男にフリードルは不敵な微笑を浮かべた。

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~ Comment ~

NoTitle 

きゃ~~~~スミマセン…
たまりにたまって一気読みしてしまいました(><)
リア忙しかったのと
ずっとFC2おかしかったですよね(><)
来ようとして真っ白とか…(--;)
夜は撃沈でした…↓

番外編可愛かったですv-238
ばらせば楽しいのに←

そして本編!
壮大になってますね~~~!
皇后様はお間抜けさんですが^^;
そんなものですよね(笑)
世のこと知らないでしょうから(^m^)

なかなからぶらぶ突入できませんね~
まぁ、ジレジレで会えたらきっと盛り上がる事でしょう~(笑)

ストック溜まりきらないとホント大変だと思います↓
私は広告まで出てしまったよ(--;)
書けないので諦め…↓
今はあっちも止まってる状態でした^^;
疲れたのかな…?
あっちは在庫あるので大丈夫なのですが…

涼音さんも無理しないで自分ペースで
頑張ってくださいね~(><)

はのん様 

いえいえ。お忙しいのに有り難うございます^^
そうそう、時々オカシイよね。真っ白になったり、繋がりにくかったり。最近は何度かすると大体見れるんだけど・・・・^^;

番外編、オチは結構気に入ってます♪
この件は本編でバラすか番外編にするか。(どのみちやる気はある(笑))
実はラストに続く途中、さわりを以前3パターン書いてるの。(お兄様とお母さまとフリードル)
どれにするかはその時の流れ次第(笑)

本編はつじつま合わせてたらどんどんドツボにハマって長くなってる^^;
この後議会は途中大幅カットして進めてますが、それでも長いか!?(苦笑)
早く二人再会させてあげたいんだけどなぁ(苦笑)
次の章には出て来る予定♪
とりあえず、何とかストック4日分は確保できたんだけど、凄い波があるからあまり自分が信用できない^^;
それにGWもあるからストック増やさないと、焦る焦る^^;
気力で?出来る所まで頑張ります♪
もぅ今二人の場面が早く書きたくて必死って感じ(笑)
ここさえ乗り切れば!!
その思いで頑張るわ♪

色々あって疲れたのね。
少し休んで、またノッテきたら書いてくださいね♪
いつまでも、待ってますから^^
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