パウリンの娘

パウリンの娘《第28章14》

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グルバルト公爵の言葉に異論を唱える者も居たが、新王を立てると言う意見は支持され審議はその先へと進んでいた。
しかし公爵は何故継承権位1位と2位を差し置いてアイスラント殿の名を上げるのか!?

その疑問に答えてくれたのはフリードルが話を付け協力者となったラストール男爵だった。
バラサインの現況は重鎮等にとってもまさかの出来事だったに違いない。

「お主は何故そのような事を知っておるのだ!?」

確かに女癖の悪い息子の話は有名だが、その詳しい内情までは誰もが知っているものでは無い。
だが、ラストール男爵はさも自分が知っていて当然の様に話し始めたのだ。

「お恥ずかしながら、私はこの年になっても未だに騎士時代の詮索癖が抜けぬのです。領地の諍い事などは少しでも耳にすると気になって自然と目が向いてしまうのです。されど、息子も諫められぬ者に今のこの国を修復する事は不可能だと思いませぬか?」

大した役者だ。

「御子息にしてもこれ程女癖が悪ければ、王位を任せた所で民の反感をかいましょう」

「王となれば側室と言う形で囲ませれば済むのではないか?」

「いやいや、今までの事が明るみに出ればそれこそ王家に対する民の信用はまかりならぬ。ここはいっそこの者に任せた方が・・・・」

「何だ宰相のご機嫌伺いでもする気か!? このような生意気な小僧に国の未来を託すのか!? それならばザラゾール王でも構わないのではないのか?」

「だから、それでは民が納得しないであろう!?」

「民に納得して貰う必要等無いではないか! 王が国を治めるのは当たり前の事だ」

「だから、それがまかり通らなかったから今このような状況に陥っているのではないのか?」

「いや、皇太后の犬では無くなったのならばそこは今までの経験から言ってもだなぁ」

重鎮達の声は様々で結局意見は纏まらない。

「静粛に!!」

木槌の音が響き渡る。

「皆様方の意見を纏めよう。候補者は現王ザラドール陛下、王位継承権第一位バラサインの前王弟殿下ザンゾール公爵、王位継承権第二位そのご子息ライサンド殿、そしてこちらにおる王位継承権第三位前王姉子息オードラル殿の4名で良いな。他に候補がおる者は告げよ」

「横暴だわ! このようなやり方は認められない!!」

「誰も貴方の意見など求めてはいない!!」

宰相は皇太后を冷えた瞳で見据えた。

「異論が無いようであれば評議に移る。挙手を願いたい。半数を超える6名以上になるまで繰り返す」

そう告げると宰相は名前を挙げて行った。
当初一番長引くであろうと思われていた評議は、候補者が分散した事により、結果は思いの外早く決した。

「ザラドール陛下支持者2名、王位継承権第一位前王弟ザンゾール公爵支持者2名、王位継承権第二位そのご子息ライサンド殿支持者無し、王位継承権第三位前王姉子息オードラル殿支持者6名で本案は可決された。よってここにサザーランド国第7代国王としてアイスラント・ゼロード・フォン・オードラルを任命する事を王反議会の決定とする!!」

宰相の高らかな宣言がの評議の間に響き渡った。

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