パウリンの娘

パウリンの娘《第29章5》

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評議の間の前には夥しい数の兵が次々とブラックナイトの面々に挑み続けていた。
5人は扉の前で何人たりとも近づけぬようにと死守するように互いに背を向け兵の隙を見抜いては次々と倒していく行った。

「剣を収めよ!! 我等はお主等と剣を交える事を望んではいない!」

「望む、望まぬの問題では無い!!」

「ザラゾール王は退位された。それに代わる新王殿下の下に集え!!」

「その様な戯言を信じられるか!!」

真実を告げた所で、信頼してい無い者の言葉など信憑性に欠く以外の何物でもない。
中には血気盛んな若い民兵上がりの兵も加わっており上役に絶対的信頼を寄せ、とてもこちらに耳を傾けて貰えるとは思えなかった。
益々状況は険しくなって行くが、それでもアイスラント達は説得せざるを得ないのだ。

「おい、このままでは埒が明かないぞ。城には一体何人の兵が居るのだ!?」

「さぁな。100や200で無い事は確かだろう」

「桁が違うぞ。ザラゾールの浪費癖の一つは保身に投じる財力面だ。抱えている兵の数が数だからな。我らが去った後、騎士の代わりにと民兵をかなり増員したらしい。戦力的にそれで勝てると思っている所が素人の浅はかさだな。民兵をかき集めた所で腕の立つ騎士に勝る筈が無い」

「それは、そうだろう」

「まぁ、しかし数だけだと傭兵まで入れれば1000は下らんだろうな」

「そんなにか!?」

皆、呆れ返っている様だった。

「まぁ、全員が今城に居る訳は無いがな。あの者がオーラル殿を連れて来るまでの辛抱だ。我慢しろ」

「易々と、戯言を言ってくれるものだ」

雑魚相手に剣を交えていると言えど限度と言うものがる。こうも数が多いとやはりそれなりには大変なのだ。
既に一人で各々30人は相手をしているだろう。それも通常とは異なる形として。
実は皆、軽く剣を交わしているだけなのだが、次第に額に滲む汗は結構多くなっていた。
と、言うのも東殿で奪った剣は皆ボテイコの毒が塗られてある為、皆出来る限り剣で斬りつけると言う事をしていないのだ。
剣を交えた後、柄や腕力で相手をねじ伏せているものだから実際に剣で斬るより能率も悪ければ力も削がれる。
いっその事剣にボテイコの毒が塗られてあると言えば、後退する者も出て来るかもしれないが、そのような卑怯な手段は使いたくなかった。

その状況の中で、遠くから更なる多くの手勢の足音が聞こえて来た。
また兵の増援かと心の中でため息交じりに呟いた時だった。

「新王陛下は何処に!!」

アイスラントを新王と認める仲間以外の者に初めて出くわし、面々は安堵の色を浮かばせた。

その者の身を包む衣装は騎士のそれのものだと言う事も理由の一つだったが、何より歓喜したのはその後方に仲間であり友でもある者の姿を見つけたからだった。

「アイスラント様!!」

多くの仲間と途中で意気投合した王宮騎士を引き連れてフリードルがその場へ到着した。
そのお蔭でアイスラントの率いる仲間の数は腕の立つ者ばかりが一気に50名を超えた。

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