パウリンの娘

パウリンの娘《第29章10》

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パウリンにはっきりと映し出された事は絶対的なものらしい。
小手先の状況を変えても結果は何も変わらない。
歴代のパウリンの後継者はどうか分らないが少なくともザビーネ様の場合、先が不透明な場合、途中で靄がかかったようで良く読めないとの事だった。
これはローレライの場合と酷似しており、映像がはっきりしている場合は外れた事が無いと言う事実を突き付けられた。

「それは無理と言うものだわローレライ」

だから、兵に取り囲まれるのは必然的なものだと言うのだ。

「そんな・・・・」

知っていても回避する手立てがないなんて・・・・。 
ローレライは愕然とした。

「それに貴方が見たと言うこのお部屋の中の場面はね、おそらく謁見の間だわ」

「謁見の間!?」

「そう。そのような広い部屋で玉座が配されている。それは城内でも限られているわ。兵の配置が4か所ならばそれは間違いなく謁見の間よ。実は私のパウリンにもこの謁見の間に居るザラゾール王と皇太后がずっと映し出されているの。それ以外のものは何も見えなくなってしまったのに・・・・。だからこれはきっと私に最後の手段を投じよとの命だと思っているわ。だから私は何があってもこの謁見の間に行かなければならないの。自分の運命では無く貴方の運命を導く為に」

「そんな!!」

「実を言うとね。私にもはっきりした事は分かっていないの。でも、新王を導く貴方に関わる事ならば、まだこのパウリンは私に味方して見せてくれるの。こんなに嬉しいことは無いわ。息子を新王へ導いてくれた貴方の手助けが今でも出来るのだから。全て貴方のお蔭よ。有難うローレライ」

そう告げるとザビーネはローレライの手を取った。
そして手を離して立ち上がると扉の方へと歩き出した。

「何処に行かれるのですか!?」

「勿論謁見の間よ」

「私もご一緒します!」

「その様な必要はありません。これは私に課せられた運命です。貴女に成し遂げられる事では無いわ」

「それでも、私のパウリンにもあの場面は映し出されたのです! それは新王たるアイスラントに対するメッセージなのではありませんか?」

「だから貴女は来る必要が無い。あの子はもぅ直ぐここへ来るのではなくて? ならば貴女の使命はここで新王陛下にパウリンの事実をありのまま伝える事です。そうで無ければ道は切り開かれない。その上で謁見の間に来て頂戴」

「ザビーネ様!!」

「勝手に離れてはあの子が心配するわ。お願いローレライ戻って」

ザビーネはローレライが傍にある待合室へ戻って行くのを確認すると、にっこり微笑み“大丈夫だから”と告げると前の廊下を颯爽と歩いて行った。
その後ろ姿はとても勇敢に見えた。

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