パウリンの娘

パウリンの娘《第31章11》

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何処まで話せば信じて貰えるのか?
シザーレは腹を決め、真の王の姿を暴露した。

「私はこいつとは城にいる誰よりも付き合いが長い。こいつが今王なんてやっているのは全てローレライ嬢の為だ。それが無ければ生粋の騎士であるこいつがその道を違える事等本来ならば絶対に有り得ない事だった。こいつは根っからの騎士だからな。その騎士の道を諦めてまで選んだ相手を裏切るように真似をこいつが出来ると思うか?」

何を馬鹿な事を言っているのだろうか?
王よりも騎士が良いと? 玉座よりもお嬢様が大切だと? そう言う事は政略的な結婚だと聞いている相手に普通有り得ないだろう。
しかし、向けられた眼差しは冗談を言っている様には見えなかった。

「・・・・王様にとってお嬢様は玉座よりも重いお方なのですか?」

「今更、当たり前の事を聞くな!」

アイスラントは真剣な眼差しでハッキリとそう告げた。
揺るぎない態度は、その事が真実であるかのような錯覚をも生み出す。

「本当に・・・・、お嬢様の事を大切に思われているのですね? 裏切ってはいないのですね!?」

と、聞いた所で裏切っている等と正直に答える者など居ないだろうが、二人の真剣な眼差しは、やはりとても嘘をついているようには思えなかった。

「無論だ!」

「では、そのお言葉が真実ならば、それを証明してください。一様お嬢様には、迷い事の可能性が強いと言う事はお伝えしておきます。近日中に証明して頂けると言う事も含めて。晩餐の件につきましては、お勧めはしてはみますが、お嬢様は酷く傷ついていらっしゃいますので、どうなるともこの場ではご返答できません。本当に王様がお嬢様を大切に思っていらっしゃるのであれば、もし、これが逆の立場であればと言う事をお察し頂ければと存じます」

アイスラントは大きく頷いた。

「必ず、近日中に真意を問い正し、私の誠をあいつに証明し、信じて貰う!」

「分りました。次にお会いする時には笑顔でお会いできます事を期待しております」

「了解した」

「お話し出来て良かったです。非礼の数々お許しくださいませ。では、失礼致します」

侍女が深々と頭を下げて部屋を出ようとした時だった。
アイスラントは何を思ったのか?、咄嗟に侍女を引き止めた。

「まだ何か?」

少し怪訝な面持ちで見据えた侍女にアイスラントが発した言葉はとても意外な言葉だった。

「いや、これは別件なのだが、お前は何だ・・・・・、フィード猫しゃんと言う言葉に聞き覚えはないか?」

「さぁ‥‥、フィード猫しゃんは存じません。・・・・が、フィードと言いますのはフリードル様の幼き頃の愛称です。以前そう言う話しをしていらっしゃる話は聞いた事がございます」

「何だと!?」

アイスラントは聞くや否や勢い良くその場で立ち上がった。

「王様!?」

「いや、良い・・・・。有難う。とても参考になった」

そう告げると、今度は何食わぬ様子で再びそのまま無造作に座り直した。

思いがけず、いきなり飛び出した人物の名に、アイスラントは一瞬我が耳を疑った。

“フリードル・・・・、だと!?・・・・”

思わずその場で頭を押さえると抱え込んだ。

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