パウリンの娘

パウリンの娘《第7章2》

 ←パウリンの娘《第7章1》 →パウリンの娘《第7章3》
ローレライは今までの自分を後悔していた。
小さい頃ならまだしも、ささやかな胸であったとは言え、一様は自分も女性だしそれ成りに少しは出ている。
抱き付けばそれなりに分かるに決まっている。
それなのに今まで相手に対するそう言う気遣いが全く抜けていたのだ。
特に今日なんてきちんとした下着も着けていなかったし、自分でもいつもと違う感触があった。
きっと不快な思いをさせてしまったに違いない。
ゼロに申し訳ない・・・・。
ジュリアスをあんなに親身になって世話して貰ったのに自分はお礼すら言っていなかった。
どうしよう・・・・。
ローレライは考えれば考える程不安が増長して行った。



ゼロは呆気にとられていた。

“今のは何だ!?”

抱きついたかと思えば“ごめんなさい”で、普通の女は違うだろう?と思った。
今までゼロの知っている女の感覚は色気で迫ってきたり、無理やり胸を強調してきたり、分厚い化粧に、鼻に突くドギツイ香水。そう言うのばかりだった。
しおらしいのもいたが、それは表向きでその内必ず化けの皮が剥げる。
女とはそう言う生き物だ。
姉たちですら亭主の前と自分の前、子供達の前では全然違う。

「変わった奴・・・・だな」

ゼロはポツリと呟いた。



「お兄様ぁ・・・・私どうしたら・・・・」

ローレライは瞳をうるうるさせながら部屋へ来るとそう訴えた。

「なっ、ななな何があったんだ? どうしたんだ!?」

いきなり話があると言われ、扉を開けると涙を溜めた目でこんな事を言われると、戸惑うばかりだ。

ローレライは小さい頃から理由無く泣く方ではない。
いつも泣くときは可哀相だとか辛いとかそれなりに理由があって泣く。
とにかく落ち着けと座らせ、カップに水を注いでやる。
ローレライはそれを受け取り、一口コクリと飲み込むとふぅーと溜息を吐いた。

「何があった!?」

優しく聞かれ、ローレライは馬屋で起こった事を話した。

兄は絶句した後、少し考え込む。
それで、ローレライは何について悩んでいるんだ?
悩んでいる理由が分らない・・・・。
しかし分らないと言える訳もなく、もぅ少し考えて“あっ”と思った。

「女だったんだは酷いよな。そりゃ、傷つくよな」

ローレライは同調する兄を否定する。

「・・・・お兄様違うわ。そんな事じゃ傷つかないわ。服だって男物だったんだし・・・・」

「じゃ、何で!?」

「胸・・・・失礼じゃない! 私今までそんな事気にしたことなかったけど、とっても失礼な話じゃない。ゼロにあんなにジュリアスの事良くしてもらったのに、その上お礼も言わずに去ってしまったのよ! でも、恥ずかしすぎて今はとても顔を合わせる事なんて・・・・どうすれば・・・・」

「・・・・別に気にする事ないと思うけど・・・・」

自分のした事に対して手を叩いて喜んでくれて抱きつかれればお礼の言葉が無くたって、喜んで貰えてる事は十分通じるだろう。
ローレライが気にしている胸だって、普通は返って嬉しいだろと思ったけれど、それは敢て口にはしなかった。

「どうして?」

「・・・・男・・・・だから?」

「・・・・分らない・・・・」

「とにかく、その事は忘れて。気にするだけ無駄だから」

兄に言われて良く分らなかったけれど、女性の見方と男性の捉え方は違うのかもしれないと少し感じた。
男の兄がそう言うのだから、とりあえずあまり気にしないようにしようとローレライは思ったけれど、やっぱりお礼だけは言っておかなくてはと思った。

良かったらポチッとお願い致します^^

にほんブログ村



総もくじ  3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ  3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ&感謝
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【パウリンの娘《第7章1》】へ
  • 【パウリンの娘《第7章3》】へ

~ Comment ~

NoTitle 

そうそう!
自分から近づいていかないとね~v-238
ゼロいいわ(^^)b

HANON.H様 

中々自分からは近付けないんだけどね~^^;
少しずつゼロの性格が見えて来たかな!?
こんな奴だけど、一様気に入って頂けて良かったわ^^
彼はこれからまだ変化するけど(笑)

NoTitle 

聖職者の言葉で「後悔はするな。過去を悔いる思いがあるのであれば、未来でそれを反映させろ。」・・・と言われるにはまだ早い年齢ですね。

LandM様 

そうですね。まだ17歳ですから。
と、言ってもローレライの性格上、黙ったままではいられないので、一様頑張ってくれています(笑)

でも、その言葉に沿っていそうな者が大分後になりますががその内出て来ます。
まだ話的に出て来ているだけの状況ですが、彼もそのような思いで頑張って来たのだと思いたいです。

お忙しい中いつも有り難うございます^^
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【パウリンの娘《第7章1》】へ
  • 【パウリンの娘《第7章3》】へ