パウリンの娘

パウリンの娘《第32章5》

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執務室へと呼ばれたフリードルは、王の前に額づく。

「どう言う事だ?」

「どう言う事も何も、私にもさっぱり・・・・・」

「・・・・・・」

無言の沈黙が続いた後、王がゆっくりと口を開いた。

「・・・・ずっと私を謀っていたのか? お前の結婚相手となる筈だったローレライを奪った私が・・・・許せなかったからか?」

言われた言葉に、思わず額づく顔を上げ、目の前の王を凝視した。
いつの間に、幼き日の出来事がこの王にバレてしまっていたのか?

「そ、それは、違います!! それは事を荒立たせたく無かったからで・・・・。それに、この話は私が騎士見習いとして城に上がる以前の話で、それも正式なものでは無く双方の母親の娯楽的会話の中で交わされた他愛も無い出来事なのです!」

フリードルは深く敬愛を寄せる王に必死になって懇願した。

「では、お前にローレライに対する恋情は無いのだな?」

「勿論です!! ローレライの事はずっと可愛い妹のようには思ってはおりますが、それ以上の感情は全くありません。はっきり申します! アイスラント様とローレライどちらが大切かと問われたら、私は迷う事無くアイスラント様であるとお答え致します!!」

その眼差しは真剣そのもので、全くブレていなかった。

「私が口を挟むのも何だが、こいつにはお前を裏切るような真似は先ず出来ないと思うぞ。まぁ、もし恋情があったとしても口に出す事はしないと思うが、裏でこそこそローレライ嬢とって言うのはもっと有り得ないだろう」

シザーレのその言葉にどう答えて良いのかフリードルは微妙な表情を浮かべた。

「私も、ずっとこいつを信じて来た。そんな事の出来る奴とは思ってはいない」

「では、信じろよ!!」

「・・・・だが、あいつが今頼っているのは私では無い。おそらくコイツだ・・・・」

「だとすると、それは兄として頼られているしか考えられません!」

フリードルは真剣な眼差しでそう答える。

婚約者よりも兄として慕う又従兄の存在の方が重いと言うのは、今のローレライの精神的状況は一体どう言うものなのか?

真剣に考えて色々とああでも無いこうでも無いと思案するが、これだと言う明確な答えを誰も見出せずにいた。


侍女のメイテルに連れられて部屋へ戻ったローレライの涙は一向に止まる様子は無い。

「お嬢様、泣いてばかりでは何も分りません・・・・」

ローレライは唯々首を横に振り何も答えられる状況では無かった。

「暫く、お一人になった方が宜しいですよね」

その問いに何も告げずにゆっくりとローレライは頷いた。

「分りました。とにかくこのままには出来ませんから、私はとりあえず言われた通りこれから執務室へと参りお話しして参ります」

そう告げ部屋を出ようとしたが、やはり気になりメイテルは再び声を掛ける。

「ハーブティー飲んでくださいね。少し落ち着いたら、お話をお聞かせて下さい」

侍女のその言葉にローレライはコクリと小さく頷いた。

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~ Comment ~

NoTitle 

お久しぶりです~
も~ずっとにやにやしながら拝読致しました~(^m^)
ぐるぐるいいですね~v-238
やっぱりらぶらぶ (…までいってなけど 笑)
いいわぁe-266
続きも楽しみにしてますね~♪

HANON.H様 

お久しぶりです^^
凄く話が動いているでしょ?
ぐるぐるですが、らぶらぶ未遂止まりのジレジレ、楽しんでいただけたようで良かったです^^

これが本編最後のグルグルなので、それが終わればやっとラブラブです♪

いつも有り難うございます^^
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