パウリンの娘

パウリンの娘《第32章6》

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「遅くなりました」

ローレライの侍女が執務室へと遅れてやってきた。

「どうだ? あいつの様子は?」

「・・・・ずっと泣いておられるだけで、全く理由が分りません・・・・」

「何か変わった事は無かったのか? 思い悩んでいたとか。・・・・まさかまた何か変な噂話を耳にした等と言う事はないのだろうな?」

「それは、ございません! ございませんが・・・・、少し気になるといえば気になる事が・・・・。ですが、その後も普通に過ごされていましたし、全く問題ない事なのかもしれないのですが・・・・」

「何でも良いから言ってみろ!」

アイスラントは藁をも縋る想いで言葉を口にした。

「昨日、お嬢様に届けられたお手紙の中に、“君のしもべ、ブレイドより”な等と書かれてあるふざけたものがありまして・・・・」

「ああ、確かにあったな」

「何だって!? あいつの手紙をお前、渡したのか?」

「別に手紙ぐらい良いだろ? どうせあいつには手が届かない相手なんだし、憧れる位は認めてやっても良いんじゃないのか? あまり口うるさく縛ると嫌われるぞ」

「‥‥‥」

「で、その手紙を最初はとても楽しそうにご覧になっていたのですが、ある場面で急に固まった様になって・・・・、声が小さくて良く聞き取れなかったのですが何か衝撃を受けたような顔を一瞬されたような気がしていのですが、その後いつもと変わらず過ごされておりましたので思いすごしだったのだとばかり・・・・」

「間違いない。ソレだな」

シザーレはアイスラントと目を合わせると互いに頷いた。
そこから推察されるべき答えは、何か分らないが、おそらくブレイドがローレライに何かを吹き込んだ。
それしか考えられなかった。

「手紙は?」

「それが、お嬢様が仕舞われてしまって、何処に置かれたかさっぱり・・・・」

「行くしかないな」

宰相が即座にそう告げた。
その言葉にフリードルも同意する。
だが、王だけは少し途惑う様に侍女を見返した。

「・・・・・私が行く事で、ローレライがまた良からぬ疑いを持つなんて事は無いだろうな?」

「私が許します。どうぞ、お出かけください。グルバルトのお屋敷へ」

ローレライの侍女公認の言葉に促され、王は心強い護衛二人を従えるとアポも取らずにグルバルトの屋敷へと向かった。

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