パウリンの娘

パウリンの娘《第7章3》

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夕方になり、今日は皆で市に下見がてら食事に出ようとフリードルに誘われた。
部屋の前で待ち合わせをして4人で下へ降りる。

「少し待って。ここで仲間と待ち合わせをしているんだ。これから仔馬探しを手伝ってくれる仲間だ」

ローレライは嫌な予感がした。

暫くすると上から馬屋でフリードルと話していた男、それにゼロが降りてきた。
予感的中だ!
ローレライは、そっと兄の後ろに姿を重ねた。

市は宿裏の橋を渡って数分程の所にあるらしく、歩いて行く事になった。
ゼロは心なしかムスッとしているように見える。
やはり、無作法な自分と一緒で面白くないのかもしれない・・・・。
ローレライは歩いている間、心もとなくてずっと兄の上着の袖を握り締めていた。

週末の夕刻と言うのもあって市は凄い賑わいで露店も所狭しと並んでいる。
一瞬先ですら人がひしめき合って全く何があるかも分らない。
時折通り過ぎる人波の合間からチラッとだけ並んでいる品物が見え隠れする。
素敵な木彫り細工の小物入れが見え、つい目が奪われた。
と、その時、人にぶつかりそうになり兄の服から手を離した拍子に人並みに押され違う方向へ流されそうになった。

“あっ!”

と思った瞬間、直ぐ後ろに居たゼロが腕を掴み引き戻してくれた。

「前見て歩け」

「ごめんなさい」

また迷惑をかけてしまった・・・・。
咄嗟に前に居た兄の腕に再びガッとしがみ付き、思わず顔を伏せた。

「レライ!?」

心配し、ルシオンが覗き込む。

「何でもないの・・・・」

ゼロとの会話は人ごみに消されて兄には聞こえていないようだった。


暫くすると人並みは幾分落ち着いてきた。
フリードルの話ではこの辺りは常設してある場所らしい。
方々で良い匂いが漂って来る。

「ここだ」

フリードルに言われて大きなテントの中に入るとサビエルがこちらに気が付き一礼をする。
早く来て席を取ってくれていたらしい。
テーブルには大皿が幾つか並べられていて、既に直ぐに食事が出来る状態になっていた。
各々適当に席に座り、ローレライはここでも兄の隣にと慌てて座ったら自分の正面がゼロだった。
一旦席に付いて、あからさまに変わる訳にもいかず、そのまま席に座った。
何だか気まずい・・・・。
とりあえず、ここでは顔見せと言う事で、全員を知っているフリードルが紹介する。

「今夜はお互いを知ってもらう意味で無礼講です。詳しい話は明日、例の部屋で」

“例の部屋!?”

フリードルが明日案内してくれるとの事だったが、少し気になった。

そう言い、ではと乾杯をすると、ランドンとサビエルが食事を取り分けてくれた。
ローレライは前に座るゼロが気になるが、少しずつ食事を口に運ぶ。
何だか食べてる感覚がしない。
ただ飲み込んでいるだけな感じがする。
話しなんてとても出来る余裕は無かった。
そこに兄が声をかける。

「レライ、レライ、聞いてる!?」

肩を叩かれ、ローレライはハッとした。

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NoTitle 

意識しまくり~~~v-238
でもこの子も自分にうとそうだからね…
じれじれなのも分かるわ^^;

HANON.H様 

そうそう。初めて恋愛感情関係なしに意識した男の人だからかなりウトイです。
このまま本当に発展できるのか!?(笑)
ゼロもあんなだし^^;
まぁ、色々あるけど、お楽しみに♪
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