パウリンの娘

パウリンの娘《第32章14》

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その夜、来賓を招いての晩餐は夜遅くまで続けられた。
ローレライはお妃教育で知識として覚えた特徴と、本人等を重ね合わせてそれを照合するのに一苦労していた。
アイスラントは何れ覚えるから気にする事は無いと言ってくれているが、このような機会が頻繁に訪れる事が今後の関係如何では期待できない以上、出来るだけ早い内に頭へ叩き込んでおきたかった。
何処までも悲観的な己の考えに、ホトホト嫌気がさして来るのだが・・・・。

時計の針があくる日の時刻を告げた頃それはようやくお開きとなり、疲れ果てローレライは自室に戻った。

すぐさま着ていた衣装は侍女らによって剥ぎ取られ、湯に入れられて入念に綺麗にされた後、いつもと違う少し生地の薄いナイトドレスを着せられると、初めて見る部屋へと朴り込まれた。

「えっ!? 何!? メイテル?」

「本日からお妃様のお部屋はこちらですから。明日の朝、またお伺いに参ります」

それだけ告げると、メイテルは直ぐに居なくなってしまった。

“これって、これって、もしかして・・・・もしかしなくても・・・・!?”

ローレライは、いつもと違う少し色っぽいナイトドレスの意味をようやく理解し、真っ赤になりながら扉の前に立ち尽くした。

心を落ち着かせようと、とにかく傍にあるソファーに腰を下ろす。
確かに結婚したのだし、言われてみればそう言う事で・・・・。
でも、ローレライの頭の中ではそのような事よりも今頭の中に占める大きな問題があって、すっかりその事が抜け落ちていたのだ。
現実を前にし、とにかくその前にアイスラントと話をしなくてはと心が急いた。
色々考え込んでいると、いつの間にか隣に強い視線を感じた。

「先程から何を百面相しているのだ?」

「あっ、あああアイスラント!! 何時から!?」

上げた視線の先には、夫となった新王アイスラントがそこに居た。
横に座り、何時になく親密に肩を抱き寄せられ、思わず身が竦む。

“だめだ! このまま流されては!!”

「あっ、あぁぁあの、お話があるの・・・・」

「・・・・話!?」

アイスラントは少し怪訝な面持ちで眉を顰めた。

「先日の件で、どうしてもお話ししておかなければならない事があるの。全てはそれからにして欲しいの!」

“言った! 何とか言えた。やっと言えた!! よしこの勢いで、格言に迫るのよ!!”

と、自分に言い聞かせたにも関わらず、結局尻込みしてしまい、その日は何も告げられぬまま終わり、翌日も話の障りで告げられなくなり、翌々日も確信に迫る事が出来ぬまま、ついに1週間が過ぎてしまった――――。

そして、この日を境にアイスラントがこの寝室に訪れる事が無くなってしまった・・・・。

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(次回、アイスラントのボヤキから始まります(苦笑))

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