パウリンの娘

パウリンの娘《第33章1 -終章-》

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我ながらかなり辛抱強かったと思う。
愛しい、やっと手に入れた新妻を前に、待ったをかけられ1週間。私は実に良く頑張った。
ローレライが何か重要な事を自分に告げようと必死になっているのは分かるし、それを待ってやるつもりではいたのだが、心とは裏腹に身体がいつも悲鳴をあげていた。
ハッキリ言ってもぅ限界だった。

いつも最後には何かを言いかけて、言えなくなり、ただ『ごめんなさい』とだけ、何度も囁かれ、結局泣き疲れて眠る妻のを抱いて寝室のベッドに横たえる。
そんな日々が続けば流石に限界にもなるだろう。
本当にもぅ限界で、寝ている妻の唇を奪い首筋に舌を這わせて、ナイトドレスの下に手を差し入れて愛撫を始めたその時、妻が寝返りを打ったのか?身じろいだ姿を目にして我に返った。

“駄目だ! このままこの部屋に居る事は出来ない!”と・・・・。

結局、それ以降妻と寝室を共にしていない。
いつも政務に追われて忙しいからと理由をつけて、この部屋のソファーで仮眠を取る日々が続いていた。

「お前、新妻を毎日ほったらかして何してる!? レライを本当に幸せにする気があるのか? 無いなら早い内にさっさと離縁してやれ!! その方がレライもお前なんか忘れていつかきっと幸せになれる!」

そう言って、妻の兄が怒鳴り込んできたのは婚儀から丁度ひと月が経過しようとした時だった。

「私が悪者みたいな言い方だな。私は精一杯やっている」

妻との部屋には毎朝、着替えに戻る程度だ。
その折に顔は合わせるが、最近会話するのも実は辛い。
忙しく時間が無いのは自分にとって、とても有難い事だった。
唯でさえ、愛しい妻のその笑顔を見る度に貪るように唇を奪いたいと言う衝動に駆られるのだから。
二人きりで過ごす事はもはや危険以外の何物でもなく、おそらく次に触れれば最後、その場で押し倒してしまう事は明確だった。
故に会う時は何時も人を伴い、決め事などに関してはパウリンの導く方向性を覘いて貰う事はしていたが、後は指定の時間に間に合う時のみ食事に同席する程度だった。
食事の場ではお互いに距離も保てる。
今の自分にとって一番安心して会話が楽しめる唯一の場所だった。

式を挙げた時、自分の中にあった心の枷が少し外れかけている事に気が付いた。
けれどもローレライの意図を汲み取り、その望みを叶えてあげられそうにない以上、もぅ傍には近づけない。

「何処がだ!? 新妻を前に部屋に戻らぬ日が何日続いていると思ってるんだ!?」

「・・・・何か話したい事があると告げられ、それまでは待てと言われた。据え膳食わぬは男の何とやらと言う言葉もあるが、私はあいつの想いを汲んで1週間待った。だが、それが限界だった」

「・・・・何だって・・・・!? まだ!? あっ、いゃ、何だ・・・・」

その意味を汲み取り、ルシオンも苦笑いを浮かべるしか無くなった。

最後は言葉を濁したが、目の前の義弟の告白に、流石にぐうの音も出ない。
男として同情したくなる・・・・。

「・・・・あいつ、まだ何も言ってなかったのか!?・・・・」

そうとしか、続く言葉が思いつかなかった。

妹からは、婚儀から1週間は部屋に戻って来てくれていたが、それからパタリと訪れが途絶え、以降は朝着替えに戻る程度で話もロクに出来ないと聞いていたのだ。
その言葉を真に受けて、妹が蔑にされていると思い憤慨しに訪れた訳なのだが、聞けば状況は一転した。

「何か問題があるか?」

「大ありだ!! いや、問題があるのはむしろレライの方だが、お前はホントにこのままで良いのか?」

「良くは無いが、あいつが私を拒み続けるならば、致し方ないと思っている」

“何言っているんだ? コイツ!”

「致し方ないでは済まされんだろう? このままの状況が続けば、あの煩い爺様連中が黙ってないだろ?」

また、側室だの何だのと騒ぎ立てる者も出るかもしれない。

「それまでには、何とかする」

これは、ここまで悠著に構えて良い問題なのか!?
兄としては賞賛に値する男ではあるが、愛しい新妻を前にここまで出来る神経が全く理解できない。
王としてのもぅ一つの役割についてどう思っているのか、ルシオンは問たくなった。

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~ Comment ~

NoTitle 

かわいそう~~~~~~~(><)
待たないで突き進んじゃえばいいのに~~~~!
キミが進めないと進まないでしょう~(--;)

早く押し倒していっちゃえ~!
ホント最後まで焦らされるねぇ~~~(笑)

はのん様 

もぅ、ゼロ可愛そうでしょ^^;
でも、ローレライの意思に反して突き進めないのがゼロなんです。ほら、まだ本当の意味で相思相愛と確証ないし^^;(不憫な奴(苦笑))

ホントに最後まで焦らしてすみません^^;
でも、これが書きたかったんです!!
だからもぅ判ったら抑えが利きませんよ(笑)
本人セーブかけようって必死だけど(苦笑)
何処か枷が外れてるから(爆)
もぅ数話お待ちください♪

いつも有り難うございます^^
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