パウリンの娘

パウリンの娘《第33章4 -終章-》

 ←パウリンの娘《第33章3 -終章-》 →パウリンの娘《第33章5 -終章-》
城の廊下を駆けるような早足で歩く王の姿には、何者をも寄せ付けないオーラが醸し出されていた。
歩く傍から皆が逃げるように道を開け額づく。
そして、目的の扉へ辿り着くとノックもせずに勢いよく開け放ち、部屋にいた王妃付の侍女を険しい形相で睨みつけた。

「下がれ!!」

侍女は軽く頭を下げると、逃げるように部屋を駆け出した。

踵を返すと、今度は王妃にその鋭い視線を落とす。

「ルシオンに聞いた! 手紙の話は本当か!? 見せてみろ!!」

「・・・・そっ、そのチェストの2番目の引き出しに・・・・」

苛立っているような落ち着きのない表情にローレライは震える声でそう告げた。

大股でそこまで歩み寄ると即効で引き出しを粗々しく開け放ち、直ぐに目当ての物を見つけ出したようだった。
もどかしい様に手紙を開くと目で追い文章を確認している。
ある部分で目を止めると、声を出して噛みしめるようにゆっくりと読み始めた。

「『パウリンを抱きし娘はその懐に愛を宿し、力満ちし時、彼の者を捕らえ映し出す。王は娘の虜となりて寄り添い共に国土を平和へと導くであろう』か・・・・・」

読み上げるとアイスラントは息を一瞬詰めて、大きく吐き出した。

“ついに、バレテしまった!!”

事の重大さにオロオロするローレライを尻目に、次の瞬間王は手にしていた手紙を破り捨てた。
こちらに向けられた鋭い視線に何処か恐怖が感じられ、ローレライは突然の出来事に混乱し慌てふためいた。

「・・・・ごめんなさい・・・・。ずっと話そうと思っていたのだけれど、結果としてアイスラントを騙していたみたいになってしまって・・・・。話してしまって嫌われてしまうかもしれないと思ったらとても勇気っ。キャッ!!」

話が終わらぬ内にすぐ傍まで歩み寄り、その腕を引き寄せるとアイスラントは荒々しくローレライの唇を奪った。
貪られるように何度も唇を塞がれ、ローレライの膝がガクンと崩れかかった時にそれはやっと解放された。

一瞬頭が真っ白になってローレライは何が起こったのか理解出来なかった。

「・・・・どう・・・・して!? 」

怒りが自分に向けられていると思っていたのに、突然の出来事。
混乱する中、やっとこれが自分に対する戒めなのだと気付くと、今度は止めどなく涙が溢れて来た。
これは罰だ! 自分の想いがパウリンに映し出されて選んでしまった事をずっと黙っていた罰だ!
嫌われたく無かったから、何も言えなかった。
言えなくても・・・・、それでも傍にさえいられればそれで良いと最近やっと思えて来ていたのに、こんな事されたら期待してしまう・・・・。

「嫌なのか!?」

思いがけず、そう問われてローレライは大きく首を振った。

「なら泣くな!」

アイスラントはローレライも自分と同じ気持ちでいた事を聞かされて、既に感情のコントロールが利かなくなっていた。

「怒らないで・・・・。ゼロに拒絶されたら私、生きていけない・・・・」

ローレライの瞳からは更にハラハラと涙が零れ落ちる。

アイスラントは深いため息をつくと、半ばあきれ顔でローレライの涙を指で拭いとる。

「どう言う風に考えれば私がお前を拒絶している等と言う考え方になるのだ!?」

優しくそう告げると、涙の後にそっと唇を這わせた。

押して頂けると励みになります^^

にほんブログ村




総もくじ  3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ  3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ&感謝
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【パウリンの娘《第33章3 -終章-》】へ
  • 【パウリンの娘《第33章5 -終章-》】へ

~ Comment ~

NoTitle 

>「どう言う風に考えれば私がお前を拒絶している等と言う考え方になるのだ!?」

まったくだ(^^)

コメントが続いてしまったことをお詫びいたします。今日は少し読んでコメントして終わらせて休もう、というつもりが、コメントした後でも続きが気になり、読んで、ここでコメントして終わりにしよう、いや続きが、と繰り返した挙げ句、はた目には荒らしに見えるような連投コメの惨状になってしまいました。誤解させたらすみません。小説がどきどきわくわくして面白すぎるだけなのであります。(^^ゞ

ポール・ブリッツ様 

>「どう言う風に考えれば私がお前を拒絶している等と言う考え方になるのだ!?」

実はこの話を書き出したきっかけはこの場面を書きたかったからなんです^^

いえいえ、誤解はしてませんよ。コメント読んでいて楽しんで下さっている様子もうかがえるし、嬉しいです^^
突っ込みどころ満載でこちらとしても楽しいので全てに返コメいれてます^^
そこまでのめり込み楽しんで頂けているなんて、嬉しい限りです^^
この作品書いて良かったとあらためて思いました^^
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【パウリンの娘《第33章3 -終章-》】へ
  • 【パウリンの娘《第33章5 -終章-》】へ