「パウリンの娘」
パウリンの娘 《番外編》

幸福の行方2 ~パウリンの娘番外編~

 ←幸福の行方1 ~パウリンの娘番外編~ →幸福の行方3 ~パウリンの娘番外編~
翌朝、その話に深く触れる事も無く兄は城に出かけ、自分もその後3日で全てが整い、明日にでも兄に連絡入れて帰るつもりで居たのだが、そこに思いもよらない客人が現れた。

「久し振りだねサンドラ。元気そうで何よりだ」

執事から懐かしい方だと言われて出てみてびっくりした。
胸の鼓動が心なしか早くなるのはきっとそのせいだ。

「まぁ、ルシオン様!!」

「良かったらコレ。それと、君の兄上からの手紙を託って来た」

「まぁ、綺麗なお花。有難う。お兄様からの手紙って何かしら?」

サンドラはルシオンと供の従者ランドンの二人を中へ招き入れた。

夫人にお茶の用意をお願いし、自らはルシオンの持って来た真紅のバラの花束を応接間に飾った。

「今日は何用で王都へ?」

「実はシザーレに呼ばれたんだ」

「まぁ、お兄様に!?」

「レライが・・・・、妹夫妻の誤解の仲裁に駆り出された。あいつ結構思い悩むとドツボなタイプだから、大変なんだ」

「そうね。私と違って結構考え込みそうなタイプだものね。それで仲裁は上手く行ったの?」

「うん。これでやっとレライも本当の幸せを手に入れられると思う・・・・」

そう告げたルシオンは、心なしか少し寂しそうだった。

サンドラは、あの支部での一時を思い出していた。
同じ年頃の貴族の娘との交流が殆ど無かったサンドラにとって、ローレライの存在は自分にとってとても大きいものだった。
知り合って、そう長くは無いが短期間とは言え寝食を共にし、話も合う友人と呼べる存在だった。
一緒に支部で働いていた時は仲良くしていたが、今となっては何処か遠い存在となったのだが・・・・。
あの時は、まさかあのアイスラントが王となる事も意外だったが、何より一番の衝撃は我が家系から宰相が出た事だった。
父などは知らせを受けて卒倒した。
自分としては支部での二人の関係を見知っていたし、アイスラントが王となって兄が宰相と言われれば何処か納得する所があったが。

「そうそう、シザーレからの手紙」

「あっ、そうだった」

忘れていたのか!?
ただの気遣いかもしれないが、兄の手紙より、自分の持って来た花を優先的に活けてくれる気持ちがルシオンは嬉しかった。

サンドラは兄からの手紙を手に取ると封を切り読み始めた。
シザーレは早く読んでほしそうな感じだったが、その内容に不服だったのかサンドラは少し不機嫌になった。

「・・・・もぅ、お兄様ったらまた勝手に・・・・」

「何!? どうかしたの?」

「・・・・侍女として城に上がれですって・・・・」

「えっ!?」

「ローレライ・・・・いえ、王妃様付の侍女、今二人だけなんですって。最低でも3人は必要らしいわ。私、近くの伯爵家にこの春から行儀見習いに出される事になっていたのだけど、そこを取りやめたから城に上がれって・・・・。もぅ勝手なんだから」

「良いじゃないか! やれば」

サンドラが城に、それも妹の侍女として上がると言う事は、城に行く度にサンドラと会えると言う事だ!
ルシオンはこの好機に身を乗り出して賛同した。

押して頂けると励みになります^^

にほんブログ村




総もくじ 3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ 3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
総もくじ  3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ  3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ&感謝
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【幸福の行方1 ~パウリンの娘番外編~】へ
  • 【幸福の行方3 ~パウリンの娘番外編~】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【幸福の行方1 ~パウリンの娘番外編~】へ
  • 【幸福の行方3 ~パウリンの娘番外編~】へ