「パウリンの娘」
パウリンの娘 《番外編》

幸福の行方3 ~パウリンの娘番外編~

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ルシオンは良い機会だと言ってくれたが、サンドラは兄の考えが全く理解できない。

「伯爵家の侍女としてお屋敷に上がる事すら気が重かったのにお城だなんて・・・・。お城の侍女にはうちとは比べものにならない位の領家のお嬢様方も多く居る筈だわ。そこに私なんて全く似つかわしくない。成り上がりの子爵家の出なのよ。うちは特定の侍女なんて雇った事すらないの。そりゃ雇い入れている者は勿論いるけど、全般の仕事をやって貰っているわ。それに花嫁修業をするなら城が一番有利だなんて書いてあるのよ。どうかしているわ。城で花嫁修業が必要な程の領家では無いのよウチは! 全くお兄様ったら何考えているのかしら・・・・」

そこでルシオンは思い出す。
シザーレがサンドラに内緒だが、侯爵家との縁談話が内々に進められていると言っていた事を。

「・・・・それは、仕方が無いよ。今を時めく宰相殿の妹君だ。何時どの様な家からの良縁が舞い込むとも限らない・・・・」

あまり口にはしたくない言葉だったが、おそらくシザーレの意図はそう言う事だ。

「まさか! 良縁と言うのはね、表に出て初めて成立するのよ。舞踏会にすら行かない私が一体どうやって出会いを作るのよ」

「えっ!? 舞踏会に行った事が無いの!?」

「ええ。正式なものには全く。兄の祝賀パーティには昔一度だけ出席した事はあるけど、まだ子供の頃で、それ以外は全く・・・・」

おかしいと思った。
あの時、シザーレに聞いた。サンドラの知らない話しとは言え婚約者にする位だ。何処かで面識位はあるのかと尋ねたら、知人の邸の舞踏会で昨年紹介したと言っていた。

「・・・・嘘だったのか!?・・・・」

「何が!?」

「いやぁ、サンドラは人望厚い騎士で、侯爵家の跡取り息子の知り合いとかいたりする!?」

「居ないわ」

「じゃあ、お父上と兄君達の周りには!?」

「・・・・父の知り合いの侯爵家は無理ね。皆もぅ結婚されている殿方ばかりの筈だし、何よりウチの父はこう言う事にあまり関わらない人だから」

「・・・・関わらない!?」

「そう。父は常々立派な男と言うのは金や地位で決まるものでは無いと言っている人だから普通で言う貴族間の結婚とかに全く興味のない人なの。姉の嫁ぎ先もお金持ちだけど貴族では無いし、私にも好きになったら平民でもお前が幸せになれるなら嫁いでも構わないと言ってくれているの。あっ、そう言えば兄の周りに一人居るじゃない」

「えっ!?」

「ほら、支部長さん。貴方の親戚の人だったじゃない」

「あっ‥‥それってもしかしてフリードル!?」
 
「そうそう、他に兄にはそう言う知り合い居ないと思うわ。高級貴族の子息も通ってはくるけど殆どが騎士の称号欲しさで貰ったら即座に辞めちゃう人が多いらしいから」

「そうなの!?」

「ええ」

「・・・・やられた・・・・」

「何が!?」

「いや、こっちの話」 

そう告げた時、いつも無表情で傍に佇むランドンが、とても気まずそうな顔をした。

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